死神の祝福

思う通りにならないこと

悪運で背負い込んだ重荷

予想外と想定外

もう全てを

投げ出したいほどの

苦痛


自動車が

すぐ横を走り抜けていく


ホームに立てば

目の前を電車が過ぎ去る


どこかの屋上で

橋の上で

吹き上がる風が

前髪を乱す


世界からの

生からの

逃亡が

もし何の苦痛もなく

さっと

光に手をかざして影を作るように

出来るのなら

きっと

簡単にそれを選ぶだろう


終わらせられれば

楽になれる

気まぐれな死神が

舞い降りてきて

そっと背中を押してくれたら

喜びとともに

それを受け入れるだろう


死神の祝福は

いつ来るかわからない

神様を待つよりも

はるかに身近で

シンプルな

救済だということを

誰に否定できるだろう


生きている

誰に

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