第568話 希死念慮

令和4年1月3日 月曜日

正午起床。五目あんかけ焼きそば。

発病後の物語の理解に異議申し立てしたくなった。治療は本当に成功していたのか。12年もの単身赴任は尋常ではない。治療目標が間違っていたのではないか。家族。重い言葉だ。仕事よりも、家族のことを考えるべきではなかったのか。

冷静な判断力を失っていた。常に、妄想の中にいた。そんな気がする。家族。いまの方が正常な気がする。会社をやめるなんて、あり得ない選択肢だ。

愛人、酒、ギャンブル。偽りの人生。病状。ああ、知能が消えてしまった。離婚して7年。今は、電話も通じない。過去の枯れ枝にこだわるのはやめよう。在職中がまともだったとは思えない。治療は方向性を間違っていなかったか。こだわってるな。

長いよ。発病から23年。重いよ。

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