洋服国旗作りコンテスト

ホワイト シュシュ

夏の毛糸集め

 今年2020の冬に目がけて、ゲーム内では、洋服国旗作りコンテストが始まった。

 十二時間以内に、多くの国旗の描かれた洋服を作って行く。


 篠原美々しのはら みみは、洋服作りは大好きで、特にデザインを考えるのが大好きであった。

 だが、彼女はまだ小学一年生なので、国旗はあまり知らなかった。


「困ったな。あまり国旗を知らないや。ようし、こうなったら」


 知っている限りを作って行き、似たような色形のを想像して作ることにした。

 制限時間が終わり、実際にある国旗の枚数は、たったの十二着だった。


「やはり、だめかな」


 結果は直ぐに出た。

 何と、しりとり賞だった。

 国旗の国名がしりとりになっていた。

 一等の賞品のマフラーや手袋にニット帽を貰った。


「え、いやいやいや。知らないで作ったのにどうして?」


 結果には、ほとんど英語で書いていたので読めなかったらしく、パソコンのBキーを押してみると、


「えー、どうして? しりとりでこんなにいい賞品が貰えるの?」


 その日に見た夢は、ラグビーボールが携帯になっていた夢だ。

 美々は嬉しすぎて、その一週間は、東京オリンピックのチケットを買うことができる特別な毛糸を何百個も買った。


「指あみをして、みんなにマフラーをプレゼントするんだ。オリンピックまで、楽しみにして待っているからね!」


 その日は、夏の始まりをセミが教えていた。



 



 <終わり>

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

洋服国旗作りコンテスト ホワイト シュシュ @mocomocop

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ