僕がある夏の大会を諦めた、戦略的な理由について

作者 螢音 芳

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★★★ Excellent!!!

 2020年夏、プレイ人口1000万人の頂点を決めるデジタルカードゲームの大会で主人公である僕は上位8人に選出された。
 だが当日僕はスタッフに会場への立ち入りを拒まれる。その理由は致し方ない事ではあるが、だからといって素直に引き下がれるわけがない。ここまで辿り着くための努力、ゲームにかけた情熱を考えれば当然だ。とはいえ、彼はまだ中学生。適当にあしらおうとするスタッフに憤りを感じた僕は思わず掴みかかってしまう。
 そんな彼を止めたのは僕も知っている有名な動画投稿者で――。

 作者のなかで情景イメージがはっきりしているのがよく分かります。おかげで中盤の施設説明は簡潔ながらもすんなり頭に入ってきました。
 この作品から学べる教訓は【目先の物ばかりに囚われるな】ということです。確かに眼の前の好きに真剣で、夢中になれるのは人間の美徳です。ですが時にそれは本人から冷静ささえ奪ってしまいます。主人公もまた激情から危うく積み重ねてきたものを壊してしまうところでした。そんな彼がどんな結末を辿るのか、気になる方はぜひ。

★★★ Excellent!!!

不穏な病が蔓延する2020年の夏。
少年は或る大会への参加を諦めざるをえなかった。
諦めることは、つらい。喚き出したいほどに。
しかし彼は或る有識者に「戦略」を提示されて、
更なる未来へ続く「時代」の潮流に乗る。
勝ち筋が目の前にあるとは限らない。時代は巡る。
ひとつを諦めることは、すべてを諦めることではないと、
感じさせてくれる短編。