スイトピー

小学低学年の頃


兄の友達に凄く意地悪な人がいた


いつも悪口言われたり


後ろからちょっかい出されたり


こちらが泣くまで止めてくれなかった


別に仲は悪くなかったけど


本当に意地悪な人だった


ある日、近所の雑貨屋さんに行くと


綺麗な花の種が売っていた


スイトピーの花


その花に一目惚れした私は種を買い


ほくほくしながら帰宅


家にいた祖母に


「スイトピーの種を


買って来たから庭に植えて!」


と頼んだ


祖母はその種を受け取ると


庭の一番目立つ所に植えてくれた


それを見ていた兄の友達がニヤニヤしながら寄って来て


「花の種を買って来たのか?」


私は頷き


「赤が好きだから赤い花が咲くといいな!」


すると兄の友達は笑って


「お前みたいな小便たれが植えた花なんて


黄色い花しか咲かんわ!」


その言葉に泣きそうになった


それから暫く経ったある日


学校から帰って来ると祖母が


「ラクマの花が咲いたよ」


と、教えてくれた


急いで庭に行くと


見事に黄色い花が咲いてた


しかも運悪く兄の友達もいる


「やっぱり黄色い花が咲いたじゃねぇか!」


兄の友達は大喜び


涙が出た


もうこの人嫌い!!


なんでよりによって黄色い花が咲くの?


全てが意地悪に感じた


それから花はどんどん大きくなった


そんなある日


花を見てふと違和感を感じた


なんか実をつけている


あれ?


スイトピーって実をつけるんだっけ?


よく見てみるとそれは




胡瓜だった…




驚いた


今までスイトピーだと思って育てていた花は


胡瓜


まぁお腹の足しにはなるけどさぁ


胡瓜って…


それにしても袋の中身が違う事ってあるんだね


因みにそれは当然のように兄の友達の耳にも入り


毎日いじられる事になったのは言うまでもない

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