思い出

勝尾うめ

幼い頃の話

おやつを兄と半分こしてた


兄はいつもパンやお菓子を半分に割ると


悩みに悩み


迷いに迷ってから


諦めた顔をして大きい方をくれる


そんな優しい兄だった


ある日おやつにあんパンが出た


兄がいつもの様にあんパンを割り


大きいのと小さいのに分かれるとまた悩み始める


そんな兄を見てふと


『悩ませちゃいけない!』


って思った


そして出た言葉が


「大きい方でいいよ!」


そしたら兄は驚いた表情でこちらを見ながら


「お前、図々しいヤツだな…」


だってさぁ


いつも迷って大きい方をくれるんだもん…


ほんの優しさのつもりだったんだよ?


それからこのネタで兄に弄られる羽目になったのは


言うまでもない

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