第137話 決戦前☆
※
武器の貸し出し、鎧の発注から大体1週間後に、グランド・サンドワームの皮鎧が、チーム毎に順次完成していった。
ゼンが、素材を多めに渡し、余った分で料金に代替えにすると言ったので、親方が張り切って、職人を総動員して早めに造ってくれたらしい。
鎧の外観、色から紹介していくと、
『爆炎隊』が焦げ茶系統の、普通の皮鎧に近い色合いに、見た目も奇抜な物はない。普通のデザインだ。左胸の辺りに刻印された、赤い炎のマークが爆炎隊のトレードマークの様だ。
前まではなかったので、今回から考え、使用されたものらしい。
『清浄なる泉』は、透明感のある薄い黄緑色で、エメラルドグリーンと言ってもいいかもしれない。本来あり得ない色だが、美形揃いの、森や自然の加護を持つエルフが着ると、まったく違和感なく、様になっているのが不思議な感じだった。
デザイン的には、曲線を重視して、動きやすさを主眼にデザインされた物のようだ。
『蒼き雷鳴』の鎧は、チーム名の通りに蒼で、元々グランド・サンドワームの皮は青黒く、西風旅団はその色そのままなのだが、『蒼き雷鳴』の鎧はそれよりも透明度や深みを増した、海の蒼さだった。左胸に黄色で稲妻を現わすジグザグマークが付けられている。
デザインは、金属鎧の様な、角や段の目立つ感じの、鋭角的な特徴のデザインで、独自性が強かった。
『爆炎隊』同様、トレードマークは今回から考え、刻印された物らしい。
リーダー同士が、どちらが真似だとか、真剣に言い合っているのがおかしかった。
『剛腕豪打』は、元々の金属鎧に、内側から補修し、関節部などにも、薄くしたワームの皮を使用されており、かなり防御力が上がっているようだ。
チームの残り、二人の雇われ獣人の鎧は、それに合わせ、黒鉄色で染められた、一見すると金属鎧の様に見える色合いの物に仕上がっていた。
『破邪剣皇』の鎧の色は、深い、血の色にも似た濃い赤で、3倍速く動けそうな感じだ?
デサインも、副リーダーのロータスが担当したのだが、色々斬新というか、奇抜な感じなのだが、ガイにはそれが不思議と似合っていた。ガイ以外は結構普通だった(笑)。
鎧が出来上がってからクランメンバーは、リュウから皮鎧の、“気”によって性能を上げられる特性を聞いていたので、3日程、その鎧の特性を生かす習熟訓練した後、ゼンがそれぞれのパーティーに合うと思われる、お勧め中級迷宮(ミドル・ダンジョン)の攻略へと出発した。
『爆炎隊』は、『西風旅団』と出会った休憩室までの転移符があったので、そこから始める予定だ。
『
普通に考えて、攻略(クリア)が一番早いのは、『爆炎隊』だろう。
途中から始めるだけでなく、『爆炎隊』は全員、魔剣系統の武器を貸し与えられている。
ちなみに、その武器のほとんどに、炎の属性が付与されていたのは、ゼンがチーム名にちなんで、それを選んだ、というのもあるが、武器に属性を付与される場合、攻撃力が増し、不死系(アンデッド)の魔物にも効く炎の属性が、一番普遍的に多く付与される属性だからだ。
それに、『爆炎隊』の魔術師、マイアの杖の加護は水の精霊王(ウォルディーネ)のもので、マイアの得意魔術は水や氷系統なのだから、物理と魔術、両面から両極端の属性攻撃が可能なこの組み合わせは、チーム的にもバランスが良い。多様性には欠けるが。
尚、『爆炎隊』、『古(いにしえ)の竜玉』以外の、他の4パーティーは、全員に魔剣系統の武器を提供された爆炎隊を羨んで、最初からほぼ同じ条件で中級迷宮(ミドル・ダンジョン)を探索する自分達の、攻略し終わるまでの速さを競って、1位に、賞品的なものとして、『爆炎隊』と同じ扱いをしてくれないか、とゼンに持ち掛けている。
変に焦って急ぐのは危ないのでは?とゼンは忠告したが、安全には万全を規すので、とお願いされると、やる気、士気にも影響があるか、と思い、申し出を受けた。
確かに、後2つ3つは提供出来る物があったからだ。
意外な形で始まった競争ではあるが、勝つのが何処かは、1~2カ月ぐらい後になるだろう。
西風旅団は、ギルドに頼まれ事があるので、皆とは遅れて2つ目の中級迷宮(ミドル・ダンジョン)攻略に出発する旨を、全PTに説明してある。
勿論それは、例の襲撃作戦の事で、彼等が帰って来るまでにそれは、どんな形であれ、綺麗さっぱり終わった後となる筈だ。
※
その五日後、作戦説明の為の非情呼集が、冒険者ギルドから通達された。
増援が揃ったようだ。
ロナッファを連れ、西風旅団の四人と、連れだってギルド本部に着くと、高級カジノ・コキュートス襲撃予定の本隊作戦参加予定の自分達は、4階の大会議室へと案内された。
高級酒場パンデモニウム襲撃予定の第二部隊は、3階の大会議室だ。そちらには、ゼンの従魔、ゾート、ボンガ、ガエイを参加させる。
すでに2週間ほど前から3人は実体化させ、ギルド近くの宿に泊まらせ待機してもらっていた。ゼンの“気”の回復と、体調調整の為だ。
今回も前の奴隷商らを襲撃した時と同じ、5人同時の実体化だが、前回とは相手の実力がまるで違う。
ミンシャやリャンカも参加したがっていたが、ゼンはミンシャを戦闘に参加させるつもりはない。剣術を教えたのは、あくまで護身の為だ。
リャンカは、こちらの負傷者が酷そうなら、中に戻ってもらって治療の補助をしてもらうかもしれないが、アリシアの様な神術士や治癒術士も参加者にはいる。リャンカを呼ぶのは最悪の場合だろう。
会議室に入り、大勢の冒険者を見て、ゼンは愕然とした。
A級の腕利き冒険者を集める、と聞いていたのだが、どうにも中途半端な実力の者が多かったからだ。中には確かに、ロナッファにも匹敵する様な者もいるのだが、それは極少数で、大多数が、A級?と首をかしげたくなる者が多い。
総数は50名程だろうか。確かに、数は多いが、むしろこれでは、実力者の邪魔にしかならない気がする。
これなら、少数精鋭だけを揃えて突撃チームを編成させた方が良かったのではないだろうか?
同じ様な懸念を、ロナッファも持った様だ。ゼンに何か言いたそうにしている。実力者と思われる者達の表情も渋い。
会議室には一段高い段があって、ギルマスともう一人、明らかに格上だと分かる、壮年の冒険者が現れ、壇上に上がった。会議室は満杯で、座る余地などない。皆、立っている。最初から机や椅子はどこかに移動されていた。
「これから、ギルドマスターが、敵のおおよそ正体と目的、今までの被害などの報告と、今回の作戦の概要を簡単に説明する。
俺は、今回の本隊の指揮を任された、コルザスの
「……ここ、ローゼン東辺境本部のギルドマスター、レフライア・フェルズです。今回は、急な招集に応じていただき、大変ありがたいと思っています。
ですが、秘密裡に、急いで集めた無理がたたった弊害として、一部の人が理解している様に、実力が均一、とはいきませんでした。
ですので、この隊は半分に分け、周囲を包囲し、敵を逃がさず、興味を持って近づいて来てしまう一般市民をその場に入れない、壁役に徹してもらう者と、直接襲撃作戦に参加してもらう者とに分かれてもらいます。
個々に不満を持つ者がいるかもしれませんが、これは今まで前例のない、人間の都市に、魔族の大々的な侵入を許し、敵拠点としてアジトを造られ、長年力を蓄えていた、油断の出来ない組織への襲撃作戦です。どうか、ご理解下さい」
それから、レフライアとブローウェンが無造作に、室内の冒険者を左右に振り分けていった。
部屋の奥、右側が壁役、入り口近くの左側が襲撃部隊だ。
ゼン達は当然、左側にいたのだが、それを見て、何も知らない、見る目の無い冒険者が、不満を大声で口にする。
「おい!俺が壁役なのも不満だが、そこのガキ共が襲撃部隊ってのは、どういう冗談―――」
最後まで言い切る事は出来なかった。
ブローウェンが瞬動でその男の傍に移動し、首筋に当身をくらわせたからだ。
「……この役立たずは独房に入れておけ。相手の実力も分からん様な未熟者がいるから、こんな振り分けしていると言うのに。
その、背が低い、子供にしか見えない冒険者とその集団は、『流水の弟子』とそのパーティーだ。自殺志願でもないなら、口をつつしめ……」
ブローウェンは本気で嫌そうな顔をして、ギルドの職員にその気絶した冒険者を引き渡すと、右側の壁役達を睨みつける。
自分でやる前に動いてくれて助かった。面倒が省ける。
と、ゼンは密かに安堵する。ああいうのを、いつもいつも殴っていると、仲間達に自分が怒りやすい、癇癪持ちだと思われるのではないかと、心配していたのだ。
勿論、もうそれなりに手遅れと思われる。
ここにいる全員が(旅団の4名除いて)A級の冒険者な筈なのだが、実力も読めないのに、A級になってしまう者もいる様だ。
ブローウェンが嫌そうな顔をする意味も、分かると言うものだ。
レオの様に、元B級の冒険者が、現役当時の力量をほぼ維持したまま、検定官をやっているような所ばかりではない。
冒険者のクラス検定は、その国や支部毎に微妙に異なり、A級やB級のような上位ランクになると、検定基準も難しい為に、甘い場所、厳しい場所が明確に別れ、その上今回の様な急ぎで秘密裡に集められた人員ともなると、集まりが悪く、その上実力が、レフライアの求める水準まで達した者が少なかったのだ。
だからレフライアは、フェルズまで来た冒険者の実力不足に不安を覚え、ギリギリまで作戦の日取りを伸ばしていたのだ。
だが、それももう限界だ。作戦決行が遅れれば、それだけ相手側に気取られる確率が高くなる。
執行官という、本来は冒険者内部の粛清の為の戦力を使うのも、戦力不足の為だ。
幸い、ブローウェンという、戦歴も長く、実力も充分な指揮官は得る事が出来た。
もうこの人員で進めるしかない。
本来、地元の上級冒険者で進めるべき作戦なのに、その上級冒険者こそが問題の主題となっている為に、ほとんど使う事が出来ない、恐ろしく無理のある状況なのだ。
一応、ここの2大クランは汚染をまぬがれている筈だが、そこに監視の目が行き届いてないとはとても思えない。特殊な魔具、もしくは使い魔による監視があってもおかしくない。
そもそも、この2つだけが見逃されているのが物凄く怪しい。罠が張られている可能性が、極めて高い。
だから、この作戦当日、フェルズの上級冒険者は、上級のみに公開される新技術(従魔の事だ)の為に、ギルド本部に全員集められる事になっている。(名目上のみ)
その時に、冒険者に紛れ込んだ密偵を拘束し、冒険者達への現状説明をして、治療に入ってもらう。恐らく、素直に応じない者もいるだろうが、その時は強制的にでも捕縛し、治療を受けてもらう。ある程度正常に戻りさえすれば、自分達が正しくない事の自覚に目覚める筈だ。
従魔による治療も、ある程度正常に戻ってからでないと、正しい再生、育成が困難であろう事が予想される。
自分達の存在意義(レゾンデートル)、その物が根本から脅かされる事態だ。
レフライア・ギルドマスターは、左右二組に別れたのを確認した後、説明を始めた。
「敵は、確かな筋からの情報で、魔族の過激派団体【人間弱体党】という名称の組織です」
ギルマスが真面目腐った表情で言う、その名称のおかしさに吹き出す者もいたが(右側のみ)、ギルマスはそれを咎めもせず続ける。
「以前の『神の信奉者』と似た様な組織ではありますが、その、人間の都市に組織を潜伏させ、長期間の、目立たずに少しづつ、着実な成果を上げつつ、自分達の組織の発覚を抑えていた手際は、敵ながら見事な物だと言わざるを得ません。
いえ、それでも、我々ギルド側が、もっと管理体制を厳しくしていたら、もう少し早く発見に至っていたでしょう。そういう意味では、私は現ギルドマスターとして、慚愧の念に堪えません」
一概に、ギルマスの責任とは言い難い話だが、責任感の強いレフライアがそれを気に病むのは仕方のない事だった。
「……今は、こんな事言っている場合じゃないわね。彼等は、上級冒険者に的を絞り、上級冒険者専用の、高級娼館、酒場、遊技場を経営し、ダミーの店以外の3つで、上級冒険者の、魔具による、洗脳紛いの精神汚染を、長年に渡って少しづつ、着実にやって来ていた事が分かっています。娼館では淫魔(サキュバス)による催眠暗示も同時進行で行っていたようです。
余りにもわずかな変化の為に、ギルドでも、これは冒険者の個性の範囲内だと見過ごしてしまっていたのですが、その内容は主に3つ。『自尊心(プライド)の肥大』『他人への猜疑心、嫉妬心の拡大』『競争心の拡大』。
以前から、フェルズの冒険者は、強者であるが故に、自尊心(プライド)が高く、他人と群れない、等とはよく言われ、他の地の冒険者からは一目置かれながらも、余り評判は良くありませんでした。
しかし、それが彼等の工作による成果だと判明した今、それは一体いつから行われていたのか、フェルズの冒険者が自尊心(プライド)が高い為に、この工作に上手くはまってしまったのか、この工作によって、フェルズの冒険者の自尊心(プライド)が異様に高くされてしまっていたのか、卵が先かニワトリが先か、は連中の幹部からでも情報を抜き出さなければ分からないでしょう」
傍らのブローウェンは腕を組み、無言で瞑目している。
「この事が判明した後、世界中の冒険者ギルドで秘密裡に調査が行われ、他の3つの都市でも、フェルズと似た様な施設がある事が確認されています。
ですが、やはり強者が多いと評判で、閉鎖した城塞都市の土地柄と、この洗脳工作が上手くかみ合ってしまった、フェルズ程の深刻な被害は出ていないようです。
これら3つの都市の施設とフェルズの施設の間で、どのような連携が取られているのかは不明ですので、この襲撃計画は、フェルズと他の3つの都市、同時に行われます。
ですが、先程から説明した通り、ここフェルズの洗脳工作が一番上手く行ってしまっている事もあって、敵施設、および戦力も、他とは比較にならない大規模なものです。
ですから、襲撃計画は、ここが一番困難で、危険を伴うものとなるでしょう」
冒険者達は、ゴクリと息を飲む。
「それでも我々は、奴等を殲滅し、正常なフェルズを取り戻さなければいけません」
レフライアの表情はいつも以上に真剣で硬く、不退転の決意を示していた。
「これは、我々の、過去の上級冒険者の死亡数の調査で分かった事ですが、フェルズでは、過去百年に渡り、上級の死亡者数がゼロになった年がありません。
最小で、常に4人の死者が出ています」
「?上級ともなれば、死者が出ない年があるのは、仕方ないのでは?」
冒険者に危険は付き物だ。そう常識的な疑問を持った者が思わず尋ねる。
「確かに、そうかもしれませんが、実際、他の支部では、何十年かに一度ぐらいはそういう年があるものなのです。しかし、フェルズにはそれがなく、絶対に4人が死んでいます。
これを不自然に思い、詳しくこの死亡内容を調査したところ、分かった事があります。
この4人の死者、一人は、B級で、上がったばかりの物、A級に上がったばかりの者、残り2名が、将来を嘱望されていた優秀なA級の強者であった事。
他の年の、最小4人の記録を確認すると、どれも似た様な分布の記録です。
つまり、この強者2名はなんらかの方法で暗殺され、他の2名も、強者のみに死亡者が限られると、暗殺である事が判明しかねない為に、そちらに目が行かないように、わざわざ当て馬の情報として、暗殺されていた……可能性が高いのです。
この、最小以外の死亡記録も、詳しく調べると、似たような分布の死亡者ばかりなのです。
つまり、数がバラつく場合は、強者以外の、本当の死亡者に合わせて、強者を暗殺していると思われるのです。
……フェルズでは、昔から疑問に思われていた事が一つあります。
それは、何故、三強に続く強者が育たないのか。彼等は確かに規格外の存在でした。それでも、A級の冒険者は他にもいて、皆が研鑽に励んでいた筈なのです。
にも関わらず、残るのは、中途半端な実力の者ばかり。つまり、その答えが、これなのです」
会議室に集まった、全ての冒険者が、余りの事実に、驚愕で肝を冷やしていた。
「そして、この百年前から、この組織の計画が実行に移されていたのなら、最小で、四百人以上の上級冒険者が、この組織に暗殺されていた、と言う事になるのです」
魔具の精神汚染は、あくまで冒険者同士の不和を呼び起こすもので、これはこれで、冒険者の安全を脅かすものでしたが、暗殺は……」
その、被害の余りの多さに、誰もが口を開かず、青ざめていた。
冒険者とは、死と隣り合わせの危険な仕事だ。
上級ともなれば尚更で、百年という長い年月を考えれば、それぐらいの死者は出ていても、決しておかしくはない。
だが、それが暗殺されていた、となると、それは話がまるで違う。
フェルズが、冒険者が憧れる、半ば聖地の様な扱いをされ、毎年冒険者が増えていたのも、その不自然な減少を目立たなくさせていたのだろう。
「我々は長い間、間違った常識を常識として信じ込まされていたが為に、この大きな被害を受けてしまった。
一つは、フェルズの冒険者は、強いが故に自尊心(プライド)が高く、他人とは馴れ合わない、孤高の存在だ、等と信じ込んでいた誤解。
今一つは、冒険者に死は付き物であるが為に、その死を当然と思い込む癖がついていた事。
どれも、組織による意識的な誘導、情報操作があったのでしょう。
それでも、むざむざと敵の手に踊らされていた……」
レフライアの怒りは、凄まじく大きい。
それは、ここに集まる他の冒険者も同様だ。
ここは、彼等が守るべき本来の土地ではないが、冒険者は皆、同じ魔物を狩る同胞だ。
それを、暗殺だの洗脳だの、と、悪辣な汚いやり口で害して来た敵を、彼等は決して許しはしない。
襲撃作戦を話し合う大会議室は、大勢の人数がいるにも関わらず、無駄口を叩く者は一人もいなかった。
冷たい怒りや義憤にかられた冒険者達の、燃え滾る熱意とは裏腹に、粛々と静かに、打ち合わせは進められていった……。
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オマケ
ミ「ご主人様、何でミンシャは戦っちゃ、駄目なんですの?!」
ゼ「……小城のチーフメイドが戦うのは、おかしいだろ」
ミ「えとえと、ならセインに幻術で、別人に見せればいいですの!」
ゼ「……却下」
ミ「どうしてですの!」
ゼ「俺は、ミンシャに戦って欲しいと思ってないから。ミンシャが傷つくのも、前みたいに泣いて落ち込むのも見たくないから」
ミ「それ、負けるの前提ですの!ご主人様は意地悪ですの~~」
ゼ「とにかく、駄目だからね」
ミ「ぶう。これじゃあ、あたしの強さは何の為にあるのか、分からないですの!」
リ「……先輩、その無自覚さは、ムカつきますよ」
ミ「??何の話ですの?」
リ「知りませんよ……」
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