屋敷と新たなダンジョンと
セイナの押し切りもあり、ダンジョンの最下層にてベッドを取り出すカナト。一糸まとわぬその姿はこの世の性的な美を全て内包しているようだった。
こうして新たな戦いが始まる。
さすがサキュバスの神祖と言うだけありその耐久力やポテンシャルは計り知れない。吸い付くようでハリのある柔肌に甘い吐息、スラリと伸びた手足にメリハリのある体。セイナという存在全てが芳醇な色気を視覚や嗅覚といった五感全てを通して脳の奥を痺れさせてくる。
先程の戦闘よりもこちらの戦いの方が専門という事でイニシアチブを得るために元いた世界の数々のアイテムの力によりなんとかギリギリ勝利をおさめた。
「・・・疲れた」
「主様は素敵じゃった・・・」
頬を赤らめカナトに寄り添うセイナ。大満足である。
「これを定期的に・・・ってどれくらいのペースなの?」
「そうじゃのう・・・月1度・・・かのう?」
「まぁそんなもんか・・・わかったよ。その時はちゃんと時間を作るから言ってくれ」
「毎日でもいいのじゃぞ?」
「死ぬるわ」
こうして色欲のダンジョンをクリアしたカナトは魔法陣で地上へと帰還した。セイナは基本カナトにくっついてくるらしいのでレイラの事やアイの事、前の世界の事を伝えると驚いていた。特に異世界についてはセイナも興味があったようで色々と話をしていたのだが、どうやら興味があったのは使用した大人のアイテム類だった。
「こ、こんなにも種類が・・・はぁ・・・はぁ・・・主様妾もう・・・」
「さっきやったばかりだろ・・・ほら。いくつか渡しとくから大人しくしてろって」
「ぬ、主様にお願いがあるのじゃ・・・この・・・太くて長いのに主様の魔力を思いっきり込めて欲しいのじゃ」
「まぁ・・・わかった。ほら」
それはウィンウィンするタイプの物だった。手渡すと子供のようにはしゃぐ反面子供には見せられない表情で頬ずりしたりしていた。
「主様の・・・主様の・・・」
「ほら置いてくぞ?あと人前に出る時はちゃんと閉まっておけよ?一応マジックバッグ渡しとくから」
宿にセイナを連れて帰るとレイラに思いっきり拗ねられた。
「なぁレイラってば」
「何あの胸・・・足・・・お尻・・・勝てる要素がひとつもない・・・つらい」
セイナと顔を合わせてからずっとこの反応なのだ。
「はぁ・・・とりあえずおれは部屋を出ようと思う」
「え?」
固まるレイラ。
「え?あたしを捨てるの?いなくならないって言ったのに?え?え?」
「いや落ち着け。ちょっと考えたんだけど一軒家に引っ越すか買おうかと思ってさ」
「え?それはセイナさんと結婚するから私とはバイバイってこと?ねぇ」
「そうじゃなくて。宿だとベッド2つしかないしさ。話した通りセイナはおれの眷属になったから」
「けんぞく?」
「聞いてないなこれ・・・どうする?新しい家借りたらレイラもくる?」
「いえ?いく」
レイラがちょっと遠くを見てて会話になっていない。
「これ。ちゃんと主様の話を聞くのじゃ」
セイナがレイラの瞳を覗くとレイラは顔を赤らめる。
「は、はいっ。やっ!お、女の人なのにドキドキするからこないでっ!」
「・・・ダメだこりゃ・・・なあセイナ。おれちょっと家借りに出かけてくるからここで待っててくれる?」
「うむ。構わぬ。行ってまいれ」
宿を出て不動産屋・・・いや商業ギルドへと向かう。
「すみません不動産って商業ギルドで扱ってたりします?」
「ありますよ。どのような物件でしょう?」
「一軒家でキッチンや風呂場がついてる3LDK以上の家あります?」
「えーと・・・お待ちください」
かれこれ15分ほど待っていると資料を片手に担当の人がやってきた。
「お待たせしました。その条件だと貴族向けの方がいいかもしれないです」
「貴族向け?」
「いわゆる屋敷ですね。庶民向けだと評価ランクが低い物件しかないですし」
「ちなみに屋敷だといくら位ですか?」
「そうですね・・・賃貸なら月金貨20枚から金貨150枚程度。購入となると金貨2500枚から7900枚ですね」
「金額を考えないとしたらオススメはどれになります?」
「評価ランクで言うとこちらですね。8LLDKの物件になります。比較的新しく、当ギルドで建てた建物なので品質も保証します。こちらが賃貸で月金貨100枚。購入だと6500枚となっています」
「じゃあ・・これから内覧とか大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ」
案内された屋敷は確かに新しくキッチンも風呂場も広々としていて中々よかった。
「ここに決めたいんですけど」
「ではサインとお支払いですが分割になさいますか?」
「一括で大丈夫です」
契約書にサインをし、金貨を支払って鍵を受け取る。
「ただいまー家買ってきたよ・・・ってどした」
「あ、おかえり!いやーセイナと話してたら盛り上がっちゃって」
「うむ。主様の素晴らしさを色々とな」
「でもセイナがずるいなぁ」
「そのうちレイラも主様のお情けを頂けるであろうよ」
「・・・なんだか仲良いね?とりあえず家決まったから宿を出ようと思うんだけど」
「え?家決まったの?早いね」
「だから・・・そう言ったんだけど・・・」
宿を出て屋敷に到着する。
「おお・・・綺麗なお屋敷」
「中々いい屋敷じゃのう」
2人にも好評のようだ。中に入り3人で色々と見てまわる。部屋割りを決め、とりあえずお昼を食べようかとカナトは厨房に立った。
「ほらできたぞ。今日の昼は豚の生姜焼きと唐揚げの定食」
「む。これは美味だのう」
「おいしい・・・やっぱり結婚しよカナト」
モグモグとフォークの止まらない2人。カナトも食べてみるが美味い。料理スキルが極になっているせいか半端なく美味い。味付け、焼き加減、揚げ加減が完璧すぎる。
「それで、セイナから聞いたけど他の大罪ダンジョン?っていうのも行くの?」
「ん?ああ、そのうち行こうかなって。今はダンジョンに行くための鍵・・・まぁ素材が必要はなんだよね」
「じゃあ素材集めするの?」
「したい所だけどどこにあるのかわかんないんだよね」
「何が必要なのじゃ?」
「それぞれの大罪を冠したアイテムならなんでもいいみたいだけど」
「ふむ。ちょっと待っておれ・・・・・・・・・・・・」
目を瞑り何やら呟いているセイナ。10分ほどしてゆっくり目を開く。
「眷属達に詳しく聞いておった。海底神殿のダンジョン。あそこなら恐らく何かしら手に入るとの事じゃ」
「海底神殿のダンジョンてもしかしてここから近い?」
色欲か海底ダンジョン。アイが言っていたものも一緒なら近いはずだ。
「近いといえば近いんじゃが何しろ深海だからのう」
「深海・・・って言うくらいだから相当深いんだよな?」
「うむ。1万mの深海のようじゃ」
1万m・・・無理じゃないか?。例え水中で呼吸ができる力があったとしても水圧で潰れてしまう。
「手が無いとは言うとらん」
「方法は?」
「ここはシュレー王国よな?ならまずは北に向かい海を目指す。群島が数十あるらしいがその中のひとつが入口になっておるそうじゃ。目印は神殿と言っておったのう」
「なるほど・・・」
「行くの?行くなら私も行きたい」
「構わないけど・・・海に出るまではどれくらいかかるかわからないしそこから群島を目指すにしても・・・」
「大丈夫!その辺なら港町までの道もわかるし、そこからそこで船を借りれば行けると思うよ!」
「ならレイラの言う通りまずは港町を目指してみるか?」
「妾は主様に着いて行くだけじゃ」
「私も着いて行く」
こうして3人は海底神殿ダンジョン攻略に向けて準備をするのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます