出会い

「空気が全然違うわ」


すーっと深呼吸するカナト。辺りは草原で気持ちのいい風が吹いている。


「カナト!交換リストを見てみて!」


「ん?交換リスト交換リスト・・・おお。これか」


頭の中に雑貨、生活品、食料、武器類、アクセサリー、スキル、ステータスポイント等様々なジャンルが浮かぶ。


「凄いなこれ・・・あ、確かに赤く表示されてるやつは交換出来ないのか・・・これがカルマランクがあれば交換できるのね」


「そういう事だよ!」


「ふーん・・・ところで魔物?みたいなのもいるんだよね?」


「ゴブリンとかオークとかスライムとかいっぱいいるよ!」


「それって今のおれでも倒せるもんなの?」


「スライムやゴブリンならなんとか?でも素手じゃキツイかなぁ・・・武器は持ってた方がいいかも!」


「武器・・・武器・・・あー・・・でも剣とか弓ってやった事ないよ?使い方もさっぱりだし」


「そんな時はスキルと一緒に取ればいいんだよ!」


「なるほど・・・剣術に必中に体術に・・・剣と剣術どっちも交換みたいにか。なるほどな・・・ちなみにおれのステータスってどうなんだ?」


「よわっちい!その辺の10歳くらいの子供と変わんないよ!」


「そうですか・・・魔物を倒せばレベル上がるんだよな?」


「そうそう!」


「なるほど・・・ちなみにスキルってどう使うんだ?」


「スキルの項目を指で触れればオンオフ可能だよ!」


「ホントだ・・・てかこのインターネットショッピングってさ・・・日本・・・というか色んなもの買えない?銃とかあるんだけど」


「そうなの?アイその辺わかんない!」


「・・・そう・・・銃が0.0010TBC・・・18万って事かな?まぁそれくらいなら購入して・・・ついでに弾も」


「ちなみに道具なんかはステータスに標準装備されてるストレージに入れておけるよ!サイズも制限もないから便利!」


「あ、ホントだ。余計な弾とか消えた、んで・・・こうやって取り出すのか。なるほど」


銃に弾を込めていくカナト。サバゲーで遊んだことくらいしかないが、使い方はなんとなくわかる。試しに何発か撃ってみる。思ったよりも反動がないようだ。


「これがあれば魔物が来ても剣よりは安全かな?」


「凄いねそれ!耳キーンとしたよ!」


キャッキャ騒ぐアイは置いておくとして・・・わざわざTBCで買うとなるとネットショッピングって使いにくいかもしれない。例えば100円のおにぎりを買おうとしても最低交換が1万8000円から。つまり180個も買わないといけないのだ。


「うーん・・・あ、円にも交換できるんだこれ。てことは1TBCで1億8000万だから・・・一応1TBCだけ円にしとくか。レート変わって安くなってももったいないし」


こうして食料や飲み物を買ってストレージに入れていく。試しにと、こちらの世界のナイフとネットショッピングで買える同程度のナイフをどちらも取り出す。検証の結果、ネットショッピングの方が質が良さそうだった。ただし高額な材質。例えばミスリルやオリハルコンといった物はあちらにはないし、桁がいくつか違うのでこちらの世界の方が優れているのだろう。そう判断した。


スキルも0.0001TBCから交換可能らしい。なので1番安いスキルの中から気配察知と必中を交換した。これで銃の命中精度は上がるはずだ。


アイと話しながら平原を歩いていると、ぷよぷよとした生き物が現れた。アイによるとあれはスライムだよ!核が弱点!と教えてくれたので1発弾丸を打ち込むとしゅわしゅわと消えていった。一瞬だけスライムが光り、なんだと思ったらストレージにドロップアイテムが収納されたようだった。見てみるとスライムの魔石とあった。これらはTBCと交換したり、魔道具や合成で使ったりもするらしい。その後もゴブリンやカラスに似たダーククロウ、一瞬ビックリしたがオークなどを倒していく。


「街ってどの辺なんだろうな?」


レベル上げしながら街を探していく。


「わかんない!でもそのうち着くと思うよ!」


「使えないな・・・」


「カナト酷い!」


「だってヘルプなんだろ?わかんないってなんだよ」


「むうー!私だってわかんない事くらいあるもん!」


ぷいっと腕を組みながらカナトの肩に座るアイ。まぁいいやと平原を抜けて森の中へと入っていく。


「まぁ食料とか困らないし今すぐ人里に行かなくてもいいんだけど・・・うわっ雨だ!」


急に降り出す雨に走り出すカナト。近くに洞窟があったので駆け込む。


「土砂降りになる前に雨宿りできてよかった・・・ちょっとここで休んでいくわ」


ふぅ。と飲み物を取り出し腰を落ち着け、交換したタバコに火をつける。


「ねぇここってダンジョンだよ!」


「ダンジョン?」


煙を手でパタパタと追い払いながらアイが指さす。


「そう!お宝があるよ!」


「お宝ねぇ・・・」


外を見ると雨足は強くなり雷もゴロゴロと鳴っている。


「ま、このままここにいてもしょうがないし行ってみる?」


「行こう行こう!」


こうしてカナトは初のダンジョンアタックへと挑戦することになった。


「思ったよりも明るいんだなダンジョンって」


灯りを・・・と思っていたが、入ってみると縦横3mくらいのトンネル?の至る所に蛍光灯のような光る物が埋め込まれていたのだ。


「おっとゴブリン3匹」


タンタンタンっと乾いた音が響く。よく見ると外で出会ったゴブリン達と装備が違う。


「外の奴らより強い?か?」


「そうだね!外のはただのゴブリンだったけどコイツらはソルジャー、プリースト、アーチャーみたいだし!」


確かに剣、杖、弓を持っていた。なるほど・・・念の為にマシンガンも購入しておこう。


30分ほど歩いたが1階層はゴブリンしかでないようだ。2階層目の階段を発見し、降りていく。


「今度は色違いのスライムか」


赤や緑など様々なスライムが出てきたが、出会い頭にスライムの核を全て撃ち抜いていく。なので色違いにどんな意味があったのかはわからない。


3階層は大型のゴブリン。ホブゴブリンとゴブリンの混成だった。どんどん倒していく。


その後も4階層を進み、5階層へとやってきた。5階層はオークとオークの上位種のようだ。いずれも弾丸1発で沈んでいく。


レベルも気づけば18に、カルマランクも1に上がっている。スキルも身体強化、忍び足、毒耐性、麻痺耐性、クリティカル率アップ、魔力感知、マップ化を交換した。この辺は0.0010TBC~0.0050TBCだったので交換に躊躇いは無かった。


「特にこのマップ化と魔力感知と気配察知のコンボはありがたい」


脳内に浮かぶマップには魔物が何処にいるかを手に取るように教えてくれる。不意打ちしまくりなのだ。


そうして5階層を突破・・・しようとした所で大きな扉が出てきた。


「うーん・・・ボス部屋かな?」


「多分ボス部屋よ!」


弾を補充し、念の為にマシンガンを構える。


ふぅ。と1度呼吸を吐いて扉を開ける。


「・・・でかい・・・いけるかなこれ」


現れたのは三体。どれも身の丈が5mを超える鬼だった。


「オーガね!コイツら耐久力と力が強いから注意よ!」


アイが言い切る前にカナトはマシンガンを斉射。5秒ほどでオーガは肉の塊となった。


「うん!なんでもない!」


「さすが文明の利器は凄いな・・・」


マジマジとマシンガンを見つめるカナト。オーガからドロップアイテムを手に入れ、部屋の中を見渡す。部屋の奥には宝箱と赤くてラグビーボールほどの石が壁に埋まっているだで階段が見当たらない。


宝箱を開けると隠者のマントを手に入れた。魔力を通すことで音、姿、気配、匂いを消してくれるらしい。早速装備しておこう。


「で、この赤いラグビーボールみたいなのなに?」


ちょいちょいと指を指してアイに尋ねると、これはダンジョンコアだよ!と、力説された。


「取っていいのかな?」


「取っちゃっても大丈夫!取るとただの洞窟に変わって魔物も出なくなるの!それにダンジョンコアは比較的レアリティが高いからTBC交換にも期待できるし合成にも使えたりするから!」


確かに交換しようとすると10.0000TBCと交換しますか?と出てくる。今のレートなら18億。これは取っておいて有効活用するべきだろう。


ただの洞窟になったダンジョンだが、床の一部が光っていることに気づいた。


「あれは魔法陣ね!外に出られるの!」


試しに魔法陣に乗ってみると、雨宿りしていた洞窟の入口にいつの間にか立っていた。


「便利なもんだな」


「ねー!雨も上がってるしよかったね!」


雨の匂いのする森には光が差していた。


こうして森に出て彷徨い歩くカナトとアイ。その後も人里を目指しているのだが、まったくそれらしい気配がない。森を抜けて海まで出て海岸線を歩きまた森に入っていく。山をぬけ平原を抜け・・・気づけば2人は3ヶ月程迷い続け・・・。


「ん?これってなんか道っぽくない?」


森からガサガサと街道らしき道に出る。


「やっと・・・道っぽいのがあった・・・長かった」


「長かったね!」


思わず嬉しさのあまり街道にへたり込むカナト。近くの切り株に腰を下ろし、コーヒーを飲みながらタバコに火をつける。


「後はこれをどっちに進むか・・・」


「誰か人が通る時聞いてみたらいいんじゃない!?」


「そうだな・・・そうしようか」


カナトは新しい服に着替えて身だしなみを整える。再び切り株に腰掛けてステータスを出した。


ヒメヤマカナト

年齢15

人間

レベル3557

HP124,495

MP160,065

強さ62,247

魔力80,033

素早さ31,123

賢さ40,016

スキル/料理極/読書極/掃除/インターネットショッピング/魔力感知/魔力操作/マップ化//全耐性極/移動術極/クリティカル極/必中/マルチタスク/身体強化極/魔力付与/属性付与/多重展開/体術極/解体術極/異世界言語/経験値倍加

魔法/回復魔法極み

カルマポイント8

称号/迷子の極み/極めた者/

TBC3850.1600


「色々あったなぁ・・・」


ステータスを見つめながら半年を振り返る。森をぬけては喜び、海を見つけては喜び、今度こそと森に入り、最初の平原に出てきて絶望し・・・長かった。


「色々あったし楽しかったね!」


「まぁ・・・楽しかったのは間違いない」


アイと話していると遠くで馬の足音が聞こえる。複数居るようだ。


「馬車・・・かな?」


ちらっと音の聞こえる方向に意識を集中する。どうやら1km先から誰かやって来るようだ。20分ほど座っていると、ようやくその姿が見えてきた。


「商隊かなー!」


「どうだろう?」


「あ、1つ言い忘れたけど私の姿や声はカナトにしか見えないし聞こえないから!」


「ん?そうなの?」


「そうそう!だから人前で私と話してたら頭のおかしい奴だと思われるから!」


「気をつけるわ・・・」


50mほど先で商隊らしき一行は止まり、馬に乗った冒険者らしき男が1人やって来る。


「よお。こんなところで休憩か?」


「ん?そんなところかな?実は迷子になっててさ。街道にこうして出たもののどっちに行けばいいかわからなくて誰か通るのを待ってたんだ」


冒険者らしき男は金髪で無精髭を生やした欧米風の顔立ちをしていた。


「迷子ねぇ・・・見たところここらへんの出じゃ無さそうだが何処の生まれだ?」


「それがさっぱり。気づいた時には森をさ迷ってたから・・・多分記憶がないんだよね」


品定めするように冒険者風の男がカナトを見ている。


「そんなに怪しい?」


「怪しいな。荷物らしい荷物も持たないでこんな所にいるし。服も新しい。それにこの街道は貴族や商人専用の街道だ。旅人は大きく迂回してるはずだしな」


「そうなの?そのへん全然わかんなくて」


「・・・まぁいい。このまま真っ直ぐ進めば徒歩でも30分ほどで街が見えてくる。先に行け」


「疑われてるなぁ・・・まぁいいや。ありがとう」


そう言ってカナトは立ち上がり、パンパンとマントのお尻の汚れを払う。


歩き出すと冒険者らしき男は引き返していく。付かず離れず30分ほど歩くと男の言う通り街が見えてきた。


入口で並んでいると先程の男がまた声をかけてきた。


「さっきは済まないな。護衛任務に着いてたから先に行かせた訳だが」


そう言って馬から降りる男。


「おれはAランク冒険者のカイだ。お前は?」


「おれはカナトだよ。まぁ警戒するなってのも無理があったと割り切ってるよ」


「ほらぁカイは心配しすぎなんだよ。ごめんね怖かったでしょ?」


話を聞いていたのかこれまた冒険者風の女が声をかけてきた。20歳手前位で髪はブロンドでこちらも欧米風のほりの深めな美人だ。


「あたしはレイラ。Aランク冒険者よ。カイの話だと迷子で記憶がないんだって?大丈夫なの?」


「んー・・・どうだろう?幾らか手持ちがあるから街に宿でも取って・・・仕事でもしてればそのうち思い出すんじゃないかなって」


「あら?意外としっかりしてるのね。んー・・・記憶が無いならお姉さんが相談に乗ろうか?」


「相談に?」


「ええ。記憶が無いなら色々と不便だろうし」


「・・・なら・・・依頼ってことでお願いしてもいいかな?」


「依頼?」


「そう。街にいる間・・・数日で構わないから色々と教えてくれると助かるんだけど・・・1日いくら位でお願いできる?」


「そんなの要らないわ。どうせ街に着いたら暫くは宿で休む予定だしね」


「いいの?」


「これでも面倒見はいいのよ!」


「・・・出たよショタコンが」


ボソリとカイが呟き、笑顔のレイラが振り返るとカイは顔を青くさせていた。


「身分証とか持ってる?」


「あ、身分証はないや・・・どうしよう」


「ならお姉さんに任せて!」


こうして通行税の銀貨5枚を手渡し、門番と何やら話を付けてくれたレイラ。商店街のカフェで待っててと言われコーヒーを飲みながらタバコに火をつける。


「ねぇよかったね!優しい人がいてさ!」


「姿が見えないと思ったらどこに行ってたんだ?」


いつの間にかカップの横に座っているアイ。


「ほら、私はヘルプだからね!用がない時はステータスの中に入ってるの!」


「なるほどね・・・今までずーっと出てたから知らなかったわ」


「私の特技よ!」


「特技になるの?それ」


「あ、来たみたいだからまたね!」


レイラを発見したのかアイは消えていく。


「お待たせごめんねー報酬貰うだけなのに手間取っちゃった」


「いいよ。お願いしてるのはおれなんだし」


「私も何か飲もうかな?コーヒーなんて飲めるんだ?ませてるねぇ・・・じゃあお姉さんもコーヒーにしようかな」


ませていると言っても前世が35のオッサンなんだけど・・・とは言えないカナトであった。


「改めて私はレイラ。19よ。よろしくね」


「おれはカナト15歳だよ。よろしく。それで・・・この辺ってどっかいい宿ある?手持ちはそれなりにあるんだけど」


「なら私がよく使う宿に来る?1泊銀貨7枚でそこそこするけど3食付きだしお風呂もあるし」


「じゃあとりあえずそこに1ヶ月泊まってみようかな?」


「え?そんなにお金持ってるの?」


「それくらいはあるよ。でも仕事しながらとかになるかな?」


「ふーん・・・記憶がないって言ってたけど何を知りたいの?」


「自分のことはわかるけど・・・それ以外のことかな・・・街のこととか・・・例えば常識とか」


「とにかく生活が不安ってことかな?」


「そう。そんな感じなんだ。だから誰かに教えてもらえたらなって」


「じゃあ私が色々教えてあげるね!」


上機嫌でニコニコと笑いかけるレイラはショタコンと言うより世話好きと言った方がしっくりきた。


コーヒーを飲んで2人は宿へと向かう。レイラの言う通り多少高めなんだろうなという感じの・・・格式・・・まぁまぁ高い宿だった。調度品こそ無いが使われている家具や寝具には品があったのだ。これなら泊まれるなと安心して1ヶ月分の宿代を支払った。


「ね?結構いい部屋でしょ?」


「確かにこれなら落ち着いて寝れそうかも」


マントを脱ぎ、ハンガーにかける。レイラもマントを脱いでハンガーにかけている。


「先にお風呂入ってもいい?いやー疲れちゃって」


「ん?あれ?レイラの部屋は?」


「え?一緒に泊まるよ?これ宿代の半分ね」


チャリンとテーブルに金貨を置くレイラ。


「じゃあお風呂行くから覗いちゃダメよ?」


そう言って部屋に備え付けられた風呂場へと着替えを片手に入っていくレイラ。


しばし固まっているカナトだったが、まぁいいかと気を取り直す。35歳だったカナトからすれば一瞬の戸惑いこそあったもののドキドキするほど若くもないのだ。


ストレージから自分の着替えとタオルを出し、テーブルにお菓子と飲み物を2人分置く。


「これはチャンスだよカナト!」


「チャンスって?」


「ぐふふ言わせる気なの?分かってるくせにー!」


キャッキャウフフと1人テンションの高いアイ。


「まぁそうなればそうなったって話で別におれからどうこうしようってつもりはないんだけど」


はぁ・・・とアイに視線を向ける。


「それよりこの世界・・・多分だけどいるんだろ?」


「何が?」


「他の扉をくぐった人。後は同じ扉をくぐった人」


「いるよ!」


「やっぱそうか・・・それってさ・・・やっぱ争ったりするのかな?」


それはずっと疑問だった。なんとなく思っていたけど聞けなかった疑問。ちらっとアイを見る。


「んー・・・どうだろうね?必ずしも罪が悪い訳でもないし罰と争わなきゃいけない訳でもないの!でも戦いこそが人生よ!」


シュッシュッとシャドーボクシングを始めるアイ。


「前世の経験からなんとなく罪を選んだものの・・・まぁいいか」


「独り言?」


気付くとレイラが風呂から上がったようだ。短パンにタンクトップと露出度が高めで・・・胸が意外とある。Eくらいないかこれ?ブロンドの長い髪をタオルでわしゃわしゃと拭いている。


「じゃあおれも入ってこようかな。あ、これお菓子と飲み物」


「あ、ありがとう!気が利くのね」


ふふっとカップに口をつけるレイラ。


風呂に入り、シャンプーやリンス、ボディーソープ等を交換して使う。


「やっぱ日本人は湯船だよな・・・」


しみじみと思う。6ヶ月ぶりのまともな入浴。涙が出そうだ。


体を洗って部屋に戻ると、レイラがメガネをかけて何やらノートに書いている。


「何してんの?」


「ちょっと家計簿的なやつをね。素材とかお金とかクエストとか・・・日記とか?見ちゃダメよ?」


「見ないよ」


「・・・ねぇ。なんかいい匂いする」


くんくんとカナトに鼻を近づけるレイラ。


「あーなんて言うかな?特別な石鹸というか・・・まぁそんなのを持ってるんだよ」


「えーずるい!私も使いたかったのに!でもカナトって荷物は?」


「・・・ストレージって能力を持ってるから」


「空間収納持ちなのね?またレアな」


ひええと大袈裟に驚いて見せるレイラ。だがそれで納得がいったようにうんうんと頷いている。


「で、レイラはこれからなんか予定とかある?」


「あるよ」


そう言ってニヤッと笑うレイラだった。


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