これ本当に怖いのかな!?

上輝 歌壱

第1話 放課後①

※登場人物は全て仮名です


あれは小学校に入学して一年ほど経った頃の出来事でした。


同じクラスにパーフェクトと言ってもおかしくない素敵な男の子がいました。

小学一年生とは思えないほど、勉強もスポーツもできて、背も高く、顔立ちも整っていました。


彼、太郎くんは漫画から飛び出した王子様みたい。と思っていた私は、彼を見るとドキドキ。

声を聞いてもドキドキ。

話しかけられるとさらにドキドキしていました。

席替えをする度に、近くになることが多く、太郎くんから話しかけられることも多くなりました。

初めのうちはドキドキして、まともに話せなかった私も、話してみるとお互い話も合い、自然に話しかけられるようになりました。

そうなると毎日、学校に行くのが楽しくて仕方がありません。


「太郎くん、どうして色々なことを知っているの?」

「ぼくは本を読むのが好きなんだ。この本は面白かったよ。かいちゃんも読んでみる?」

「うん、読んでみたい。」

太郎くんの影響で、この頃からよく本を読むようになりました。


「太郎くん、運動は何が好きなの?」

「テニスかな。ローラースケートも好き。」

というのを聞くと、テニスの練習セットをおねだりして練習を始めたり、ローラースケートもおねだりして始めました。


太郎くんの影響で世界が広がる。

初めてが増える。知らなかったことをどんどん知っていく。太郎くんの笑顔で元気になる。

本当に毎日が楽しかった。

幼心に淡い恋心が芽生えていきました。


しかし、あの日を境にそんな日々は崩れ落ちたのです。

あの日、あの時、あそこに行かないようにしていたら。

今でも忘れられない衝撃のあの出来事に出会わなかったのに。

この話は放課後②に続きます。

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