9つの言い訳
ひよらん。
第1話 逢いたい人。
「寒い・・・寒い・・・」
そんな、わかりきった冷蔵庫の中の温度のような気温の中、それよりも高い体温で、ざくざくと歩く。
身長はそれほど高くない。
身長が低いせいで損したこともないの。
自分の視線が一番の眺めだと思い込んでいる。
そんな視界がだんだん薄暗くなる頃、家路にたどりついた。
「ただいまぁ」
まだ、誰も帰ってない。
いや、もともと誰もいなかったんだ。
そう、私は所謂、孤児だ。
母親を知らない。
父親を知らない。
だから、他人への興味もあまりない。
特定のものへの興味のみ。
今年のクリスマスも、両親には出会うことがなかった。
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