衝動

ああ、まただ。

全身をビリビリと駆け巡る熱い衝動。


書かなければ。


今、この時を、一瞬を、残さなければ。


なにかに追われるように、飲み込ませるように、ひたすらにペンを走らせる。

その瞬間だけ、この世界には自分しかいなくなる。

鈍いノイズが鼓膜を震わす。

暗闇なのに手元ははっきり見えてる。


不思議な感覚に包まれながら、その衝動を受け止める。なんとも心地よい感覚で、浸っていたい。


しかし、その衝動はずっと走っていてはくれない。だからこそ僕は、これが来る度に、空っぽになるまで、思いを書き尽くそうと思う。


僕が走っていられる限り。

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