竜宮城殺人事件

安茂里茂

小説を読むにあたって

「先輩、ちょっといいですか」


「ん、どうした?……もしかしてまた原稿を読んでくれってか?」


 僕が数枚の原稿用紙を持って部室に入ったのを見て、仙ノ倉先輩がそう言った。


「はい、そうです。加波志くんがまた小説を書いたみたいで、読んで欲しいって」


「まーそれはいいけど……こないだみたいな引っ掛けとかじゃないよな?」


「はい、そうみたいです。今回は隙間時間に書いたもので、叙述トリックとかそういうのはないみたいですよ。いや、僕も解答編は読んでないんで分かんないですけど」


 まあ、加波志くんはそういう嘘は言わないだろうから、信用していいと思う。


「そうか。ま、とりあえず読んでみるか」


 先輩はそう言って原稿用紙に目を通す。


「加波志くんが言ってたんですけど、内容はよくある推理テキストだから、せめて手掛かりとかは全部挙げて欲しいって言ってました」


「まー伏線とか書いてスルーされたら嫌だもんなー」




 というわけで、みなさんにもその小説を読んでもらいます。

 犯人は誰か、そしてそれに至るための手掛かりも全部見つけてくださいね。

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