第9話

そして兵士達が小屋から出て来る前に、彼等は援軍が来ている事に、外での物音で気付いた。                  そして援軍から出してもらい、外へ出る前に、中佐は廻りに分からない様に一人の兵士に合図をして呼んだ。          その兵士が近づいて来た。中佐は小声で話した。                  中身はこうだ。外へ出たら、どさくさに紛れて黒人兵を殺すと。皆で殺すのだと。   兵士が嬉しそうにニヤリとしてから戻り、他の兵士達ヘそれを知らせた。黒人兵には分からない様に。              実はこの黒人兵は、大佐がゲリラ達に犯されてからは丸で手の平を返した様にいつもその事を大喜びで、大佐を馬鹿にして罵倒したり大笑いしていたのだ。大佐が連れて行かれる時にも、後ろからはやしたてていたのだ。 そして大佐はそれに対して悲しそうに、恥ずかしそうにしていたが、いつも何も言葉を発しなかった。              それは余りに酷かった為に、ある時ゲリラのリーダーに、一緒に連れ出して犯す様に言われる。彼はそれを聞き、約束が違うとわめき出しながら連れて行かれるのだ。     そして大声で、その痛みに泣き叫ぶ声が聞こえる。                

「ザマァ見ろ!!」、と他のアメリカ兵達はそれを聞いて喜び、笑うのだ。      (だってなんて奴だ?!直接的な原因だと、自分のせいで皆が捕虜になり、大佐が身代わりに犯されたのだ。そしてそれ故に、ずっとそうして非道な犯され方をされ続けたのだから。                  だがこれも時代だろう。話の流れの為もあるのだろうが、当時私がこの映画を見た時代は、まだ黒人をあからさまに悪者として、こうして映画等で表現できたのかもしれない。)                 だから中佐は、もし無事にアメリカへ戻れば、必ず彼は大佐の事を面白可笑しく廻りに話すと思ったのだ。そしてそれを何度も繰り返すと。

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