未来の話

ruckynumber

第1話 未来の地球

 時は4XXX年。


 人間は機械と融合し、サイボーグ化することで不老不死と呼んでいいまでの寿命を手に入れていた。


 重大なパーツの欠陥や事故が無い限り命を失うことは無いので、遥か昔、世界問題と言われていた人口爆発も解決され、その数は一定に保たれている。


 もともとの人間の部位が保たれているといえばせいぜい脳みそくらいだ。


 しかし、人間の欲望、憎しみは時代を経ても変わらず、100年前、第四次世界大戦があった。


 この惑星地球で、過去最大の激しさを見せたその戦いは、環境を大きく変え、かなり再建してきた今でも暮らしやすいとは言えない大気に空は覆われている。


 表向きの政府は、便利、快適な素晴らしい生活を提供しているていだが、本音を言うと、極限までにこの星の世の中は汚れていて、テクノロジーに比例するように人々の欲望はさらに膨れていった。


 そして、首脳会議が行われ、未だに統一しきらない各国のトップが一つの結論を出した。


 それは遥か彼方のかつてのこの星と同じような環境の星に移住するというものだった。


 もともとそのような星は今までもいくつか見つかっていて、その中で少数ではあるが、ある程度文明が発展した惑星もあり、今まで他の地球型惑星に移住しなかったのはそれも理由の一つだった。


 しかし、その中でも特に近かった惑星は、トップクラスに文明が発達していて、そのような生命が発達しやすいゾーンが宇宙にはあるのでは無いか。と考えた学者もいたが、その研究結果はまだ謎に包まれたままだ。


 その星の征服を試みるためにも、まず二人の調査員が派遣された。


 物事には段階を踏むことが大切だ。


 ある者は、その星の住民にも人権がある!という声も少なからずあったが、じゃあお前達はこの環境でのたれ死んで良いのか?などという質問を投げつけられ、黙らざるを得なかった。


 仕方ない。体はほぼロボットでも、心は人間なのだから。


 それが人というものだ。


 調査員に任命された俺から言うのもなんだが、相手も相当な科学技術を持っていて、こちらもかなりの被害がでるだろうと予想している。


 しかしそれでもこちら側が完全に打ち負かされて返り討ちに遭うなんて想像は正直全くできない。


 それほどまでにこっちは発展して、俺自身も300歳ほどだ。


 ネ連との戦いで大きな戦績を残し、見事就任した。


 若い頃見れたこの星の美しい町並みは、たまに思い出し、巨大な郷愁となり自らの心を侵食する。


 大昔は自分が生まれた日に特別なことをしていたらしいが、現代はそのような文化は見られない。


 なので、自分の歳はなんとなくしかわからないし、知る必要もない。




 そして俺は仲間と宇宙船に乗り込み、空へと打ち上げられた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る