勇者を倒したい勇者
狛犬
プロローグ
ーー約15年前ーー
ある薄暗い森の中に一人の黒服に身を包んだ大男が荒い息遣いで歩いていた。
大男は時々後ろを振り返り聖兵達が着いてきていない事を確認する。
「ふぅ…撒けたか。奴らに付き纏われると何かと厄介だからな…助かった…。」
聖兵達を撒けた事を確認すると改めて前方を向いてゆっくり歩き始めた。
昨夜雨が降った影響だろうか、地面がグッショリと濡れており歩いた道に大きな足跡が残る。
この森は複数の種類の魔物が生息している様だがその男から発せられる気配に怯えて出て来ようともしない。
すると急に森の奥から…何処とは判らないが赤子の泣き声が聞こえてきたのである。
「…?」
その大男は何処からその泣き声が聞こえてくるのかが非常に気になった為その行方を探した。
その赤子は一つの茂みの影に置かれた、毛布が敷き詰められた箱の中にその赤子は眠っていた。
恐らく男だろう、と考えた矢先に大男はその赤子の体内から発せられる大きな魔力を感じ、同時に期待を膨らませた。
「この子ならば…きっと未来に私達の大きな要になるだろう…。」
大男はその赤子が入った箱を抱き抱え、また森の奥に向かって歩き始めた。
この赤子が後にとんでもない事を始めようとするなど15年前の彼は知る由も無い。
第一話からは文章がもう少し長めになります。お気をつけ下さい。
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