とにかく過酷な少女の旅が始まるのは、いつも突然である。
武器も魔法も何も持たずに、いや、そういえば唯一の拠り所のようなレジャーシートがあったかな、少女はたった一人でとてつもない困難に立ち向かう。
たった一人だったのかな、彼女は。自分の側からいなくなった人のことを、新たに側に立とうとした人のことを、いつも心の中で思うことで、自分が孤独であるからこそ孤独に勝てるんだって自信を強めているように思える。
強い少女でよかった。
感情移入しまくる過酷な物語で、でも春はいずれ訪れるから、冬を耐えることができるんですね。