第5話 あの夏の日の追憶

ちっちゃな線香花火だった。


どうしたんだろうこの恐怖は。


どこかから沸いてくるんだろう。


あまい不安が、不安定な心がどこまでも悲劇的な結末に終わるとしても


残酷な運命を超える愛を信じてる。


賭け続けてるんだ。


また、会おうね。


聖者は断じて女と真実を関係付けることはない。


なぜならそれは、聖霊への罪だから。


君はなんとつよいんだろう。


また10年後、君と会ったとき、君は私のことどう思うのだろう。


牢屋に幽閉されたサドの秘密がマゾヒズムであったように、


死はどんな英雄をも蝕んでいく。


というのも、勇気というのは恐怖に勝つには浅はか過ぎるからだ。


新緑は香っていた。


木々は風に合わせて合唱していた。


部屋から一歩も出ずに悟りを得た覚者がいうには、


人間は、自分の限界を認めたとき、弱さを認めたとき


初めて本当に自由に人生を生きることができるということである。


劣等感とは不思議なもので、人が徹底的に自己の弱さを認めるまでは消えてくれないものです。


新しい世界にいく準備はできましたか?


真の愛。


普通の人は、真の愛などしらない。


風のうわさに過ぎない。


普通の人は、情欲や精液しかしらない。


ここまで考えて、私は漠然とした不安を覚えた。


新しさとは時間的な問題ではなく、深さであったからであったから。


真に新しいものとは、変わらないものだから。


自己実現の自我欲や異性との楽しみ以上のものがこの世界にはあるんだ!



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る