第13話 どっちかというと百合のほうが読まれてしまったバンド「RINGER」絡みのBL話(だったんだよそもそもは)シリーズの作り方。
バンド「RINGER」とその周辺の人々のはなし。
いやまず「投稿前提のバンドBL」を書いたんですよ。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054895599919
これがギターのケンショー視点で、「めぐみちゃん」が抜けて不在の存在となっている中、「SS」のヴォーカルのカナイ君の声に惚れてしまってあたーっく、というシンプルな話なんだって。
ただそこで次に書いたのが「SS」のベースのマキノ君とカナイ君が組むまでのエピ。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894357896
ここで一気に広がってしまった訳ですよ! 物語世界が!
これは以前よく言われたんですが、「あんたはまずともかく前提をどんと出してから話を進めるなー」と。
まあそれは認める。というか、物語としての文字にしてしまうことで、次の一手が浮かぶというタイプなんでなあ。
で、マキノ君の話を書いたことで、
・カナイとマキノの学校がどういうとこか
・カナイがサエナという一つ上の幼馴染みの生徒会長に好かれているけど気が無いこと
・マキノは別の地方から一人来てピアノやってる子だったこと
・恋人(かもしれない)ひとが亡くなったことを無意識に忘れてしまう類いのメンタリティを持ってること
という要素が出てきてしまったんですな。
そこで次に書いたのはドラムのオズさんの話で、寂しくなってしまったマキノ君とくっつける目的だったんですが。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054895161548
・何故かそこで昔付き合っていて今は友達の女子も出てくる
・ちなみに彼女の好きなのはまた同性
というエピもあったり。ただしこれはそれ以上広がらなかったんだけど。
そんで更に次に書いたのが、二番目の話のスピンオフ。マキノ君は忘れている部分の時間に、カナイ君には何があったのか、という話。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893749456
・ここで次の生徒会長になるコノエ君が登場。
・ただし彼はあまり掘り返すと話が物騒になる。
・カナイ君の家は何となく「帰りたくはないな」と思わせる母親がいる。
・カナイ君は結構流されるタイプであることが(笑)。
と。ここではコノエ君というキャラが重要。
で、その学校の方で、サエナさんの事情を見たいなーと思った訳で。だけどサエナの視点はワタシには無理。というか理解できない。ので理解できるキャラの美大志望の一匹狼的なヤナセが出てきたのだな。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894291500
で、これを描いた「決して彼女に気付かれてはいけない」は原題が「Night Birds」だったんだな。織田哲郎の6thに入ってるそれ。「愛にはぐれて彷徨うナイトバーズ」のイメージで、友人を好きになってしまったけど、気付かれてはいけない、気付かれたら終わり! という百合になってしまったという。
とはいえ別に男が嫌いというんではないというのは、同類な先輩ともあれこれできるあたり、「人肌が欲しい」的な。
ただしこれはですねー、当時そんなにウケた印象が無かったんですよ。これと美咲ちゃんの話は。だけど感情としては一番自分としては「判りやすい」ものだった。
だからまあ、現在になってようやく受け容れられる状況になってきたんだかなあ、と。
その次がそれまで「不在」だった前ヴォーカル「めぐみちゃん」の話。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894833646
そこで出たのが、
・「声」でヴォーカルも、好きな人も決めていたケンショーという男の体質。近眼もあるが。
・代々のヴォーカルの持つ鬱屈
・いつも似た傾向だった声質
・その中で振り回された「声」の持ち主
・実は本当に求めていた「声」は違っていた
ということと、
・ケンショーの後始末をしていた美咲ちゃん
という話があった訳だな。
ケンショーは一本どっかおかしい吐き出し方のアーティストな訳で、ついでに他者の感情が読めない。下手すると周囲の奴もそう変わらない感覚を持ってると錯覚している。そこで振り回された側の方が「自分が悪かったんじゃないか」という悲劇が生まれるという。
めぐみちゃんの場合はその前から属していた学校の友人が居たおかげで脱出したし、代々ヴォーカルは元々恋人同士だったからくっついてケンショーという存在から抜け出すことができた、という。
となると、その後始末をしてきた美咲ちゃんはどうか、なんですよね。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894485402
これは何だかんだで一番長い話になって、ついでにワタシ自身の「兄と妹と家族」の関係と感情的に絡んでいた部分が多いので、結構に重い話になってしまった。
それまでの話で起こったことを美咲ちゃん側から見てもらったという。あと彼女自身の仕事のはなしを……
オフィスの女子人間関係というのはなかなか…… なあ……
まあこれは上記の人間関係の中で、彼女が関係しうるものを集大成させたものだったんで、長くもなったしこっちも書き切った感がありました。
ので、割と読んでくれる方が居るのはありがたやありがたや。
ここまでが7作。で、元々10作作る予定だったんですよ。
で、8本目はもともと「マキノの師匠のトモさんが死ぬまでのプロセス」を書こうと思っていたんですが、どうにも書けなくて、女体化パラレルにしてしまいました。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054895027657
9本目が再びカナイ視点で、RINGERメジャーからケンショーと別れたり解散まで(笑)。
10本目は最初に立ち戻りケンショー視点で解散と、その後どうなるか、という話の予定だったんですが!
さすがに当時は想像がまだつきませんで。
まあ何となく予想はつくんですがね。
カナイの声はミッシェルさんのチバと高野哲やらがごっちゃになった圧倒的なもの。まあたぶんそのうち自分で曲作ったりもしたかもしれません。だからソロでも別のユニット作っても生き残ってくんじゃねえかと。マキノとは一緒にやっていきそう。ただマキノはオズさんとのつきあいは続くと思うので、実家との関係のごちゃごちゃがあるのかもしれないけど。
ケンショーとカナイはたぶん音楽性でぶつかる。で、妥協できないからバンドは解散。カナイは結構最初から仕事ができそうだけど(ヴォーカルの強み!)ケンショーは暇な日々が続いて妹のカフェにずるずるメシ食いに行ったり友達の飛び入りとか曲作ったりとかしているとは思う。
でも二十年後くらいに再結成するパタンになるかも(笑)。
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