25日目「お話とティータイム」

 

 みよたちがリリのお母さんについていくと、少し大きめの広間に案内された。


 「さて、何から話したものかしらね。とりあえずお茶でも入れるから少し待っててもらえる?」


 そういうと、彼女は一旦部屋を離れた。


 「えっと、まずは勝手についてきちゃってごめん!」


 そう言ってみよは深々と頭を下げた。


 「そ、そんな。頭なんて下げないでください! 皆さん、私の心配をしてついてきてくれたんですよね?」


 リリはみよの手を取りそう言った。


 「あなたが不安そうな顔をしていたからついてきちゃったの! 本当にごめんなさい!」


 マリーもみよに続いて頭を下げた。みいも申し訳なさそうにマリーの後ろに隠れている。


 「もういいんです。とりあえずこの後お母さんに何を言われるのかわかりませんが、見守っててもらえますか...?」


 不安そうなリリがそういうと、みんなはコクコク頷いた。


 そんなところで彼女が戻ってきた。


 「あら、お話してたのね。仲がいいこと」


 やはり悪い人ではないんだろうけど、表情から感情が読み取れなくてなんだかつかみどころがない。


 「リリも飲むでしょう?」


 と言って彼女は、5人分のティーカップを机の上に並べた。カップからはとても良いハーブの香りがする。


 「美味しそうね! 頂くわ」


 と言いながらマリーはいれられたお茶を上品に飲む。さすがは貴族の娘だ。


 「あれ、シエルの分はないです?」


 と、みいは耳をぴょこぴょことさせながら不思議そうに呟く。シエルは先程から部屋の中を飛び回って興味深そうに調べている。


 「あら、他にもお友達がいるのかしら」


 そういうと、シエルが声を出す。


 「ああ、悪いわね。これであなたにも見えるかしら? 私はシエルよ。よろしく」


 彼女にはシエルが突然現れた様に見えたらしく少し驚いているみたいだ。しかし彼女はすぐに表情を戻し、


 「興味深いけど、今はあまり深く聞かないことにするわね。名乗りそびれてたけど、私はルキア。そこにいるリリの母親よ。」


 「ルキアさんですね。はい、よろしくお願いします......それでお話しってなんですかね。やっぱり勝手にお家に入ったこと怒ってます......?」


 みよは罰が悪そうにそういうと、少しの沈黙の後に


 「別に怒ってなんていないわ。ただ、ここにきてしまったからにはいくつか約束して欲しいことがあるから、話したいのはそれだけね。」


 「それで約束って言うのは......?」


 「貴方達、この森にこのお屋敷があるという話は聞いたことがある?」


 ルキアは全員にそう尋ねるが、やはり誰もが首を振る。


 「まあ知らないのも無理はないわね。逆にそれを聞いて安心したわ」


 それを聞いてマリーは


 「安心したって言うのはどういうことなの?」


 と純粋な疑問を投げかけると、返答が返ってきたのはルキアではなくシエルのほうからだった。


 「結界のことでしょう?」






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