15日目「優しさの理由」
マリーは優しい口調でゆっくりと話す
「あなたがやってしまったことは、何をしてもきえるわけじゃないわ...でもね、これからあなた自身の力で何倍もの幸せをいろんな人に届ければいいと思うの」
みいはコクリとうなずく。
「そうしたら、たとえ誰もあなたを許さなかったとしても、私だけは全力で許す...今そう決めたわ!」
マリーは、みいを優しく包み込む
「......どうして」
みいは小さい声で呟いた。
「どうしてそんなに優しいのです?自分が被害にあってるのに......どうしてそんな相手に」
「わからないわ......でもね、私にはあなたが悪い子には思えないの、だから信じさせて」
そういうの小さなマリーの胸の中でしくしくと泣いていた。
ーーその後、みいも含めて3人で買い物をし、日が暮れ始めた頃......
マリーはまたふと思いついたように口を開く
「ねえ、みよ、みい?」
突然、真剣そうな眼差しでマリーがこちらをみるので、2人は怪訝そうな顔をしている。
「私達、旅に出ない? あれからずっと考えてたんだけど、やっぱりお母さんと会えないなんておかしいわ、助けにいかなくちゃだめだと思うの」
そう言うとみいは、
「私のためにそこまで......それにこの国の貴族とはいえ、他国には向かうってことは」
「戦争になるかもしれないわね」
マリーはすました顔でそう答える。
「それでも、やらなくちゃって顔だね」
みよは心の中で覚悟を決める。
「それじゃあさっそくいきましょう!」
「ありがとう......ほんとにありがとう......」
みいは再び瞳に涙を浮かべる。
「意気込んでるところ悪いんだけど今日はいったん家に帰らない? 盗賊さんもいるし......それよりも私ずっとドレスのままなんだから!」
みよは諭すようにそう言った。
「ずっとそのままでもいいんじゃない?可愛いんだから!」
茶化す様にマリーがそう言うと、みいは頬をふくらましながら満更でもない様な顔をしていた。
「そうね! じゃあ一旦帰りましょうかっ」
そう言ってみよ達はあの車に乗って街をでる。
(夕日が綺麗だな......)
マリーとみいはぐっすり眠っている。
(あれ、そう言えば盗賊さんの数が少し少ないような......うーん、まあいいか)
夕日を背にみよ達は、家に帰るのであった。
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