第150話 今・支度
8月3日。
夜、多少エアコンの音などするけれど、比較的涼しいせいかひどくはない。
時々、寝苦しくてもわりとよく眠っていた。
3時40分ごろエコキュートが稼働。
思わず叫び声をあげて飛び起きるほどひどい。
外に出てみると玄関先でも聞こえるほどの音。
8月4日。
夜、小さい音だけれどエアコンはずっと動いていた。
3時40分ごろ目が覚める。
胸、耳に圧迫感。
痛みと言うほどではなく、今日は小さい音なのだろうかと思ったが、だんだんと強くなり痛みを覚える。
痛みで目が覚めたり、うとうとしたりを繰り返す。
6時半ごろ楽になり眠るが、7時15分作業音で目が覚める。
草刈りの音だろうか?
8月5日。
ずっとエアコンの小さい音が続いていて寝苦しい。
2時半ごろ、エコキュート稼働。
エアコンに加わってオーケストラのようだ。完全に眠れなくなる。
キッチンに飲み物を取りに行くとワンワンと音が響いている。
4時40分ごろ汽笛のような音がする。
エコキュートもまだ回っていてすごくうるさかった。
まだ返事が来ない。
ヘルパーさんのお一人は、
「無視するつもりなんじゃないの?
返事も、しないつもりなんじゃない?」
と言っていたのだけれど、私は、たとえ断るにしろ、返事くらいは寄越すだろうと思っていたのだけど、だんだんとヘルパーさんの言うことが当たっているかもしれないと言う気になってきた。
内容証明にははっきりと、NPOの方によれば、
『被害側にできることは「命を捨てるか、家を捨てるか」だけ』
と書いた。
なんの反応もしないということは、自分の「倹約」のために他人の命がどうなろうがどうでも良い、ということになるのだが、そういう人なのだろうか?
まあ、期限までまだ、数日はある。
とにかく期限まで1週間を切ったので、今日はそろそろ役所に行く準備を始めた。
K田さん宛に送った内容証明とその他資料のコピーを作る。
資料として置いてくるためだ。
こういうのを作ると、
「電磁波過敏症のくせに、こんなことができるのはおかしいじゃないか」
とか何とか言う人がいるのだけれど、じゃあどうすればいいと言うのだろう。
それは私だって、誰か任せられる人がいれば、任せてしまいたい。
体調のためにはできるだけ触らないほうがいいんだし、実際、多少の買い物やら、調べ物やらするだけで、手指を痛めたり、ひどいときには肩まで痛かったり、それもすぐに治ればいいけれど、何日も続いたりするのだから。
だけど私は1人だし、電磁波過敏だけじゃなくて化学物質過敏症もあるし、そうそう買い物に長時間スーパーに行ったりするのもつらいし、こういう資料を揃えるのだって誰もやってくれるわけではないし、体調を見ながら、手指の状態を見ながら、だましだまし少しずつ自分でやるしかないじゃないか。
もっとも、昔使っていたパソコンだったら、やりたくてもできなかったかもしれない。

今使っているものに慣れてしまったから、いつもは忘れているけれど、最初に電磁波過敏症を発症したときに使っていたノートパソコンは、痛くてまるで触れなくなってしまったっけ。
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