第145話 今・できてもしない理由

7月24日。

夜、激しい雨。

12時50分、1時50分、10分ほど痛み。

2時20分からずっと。眠れず。

2時50分ぐらいからまたエコキュート以外の音が聞こえる。

4時ごろも別の音がし始める。

5時半から切れ切れに眠る。

8時半起床。


7月25日。

激しい雨が続く。

夜、エアコンの音だろうか。

10時ごろ、少しつらいが眠る。

2時50分から20分ほど苦しい。

3時40分、10分ほど痛み。

その他は割と眠れたと思うが、起きた頃には体が軽くしびれていた。

雨はやはり、激しく降ると低周波を多少打ち消す効果はある様子。

ただ、雨で気温が下がってしまうと、エコキュートの音が大きくなるので、効果が相殺されてしまうのかもしれない。






前回の計測の結果、室内からちゃんとエコキュートの低周波は観測された。

もちろん、基準値とやらを超えているとは思えない。


ただ、途中から、エコキュートの低周波以外の何かの低周波も観測された。

5月の計測時にも入っていた周波数だそうだ。




NPOの方は、


「こちらのほうも探さないといけませんね」


数値だけで見ると、下手をするとエコキュート より負担になっているかもしれないという。


呆然。


それは、エコキュートをなんとか解決したとしても、結局ここにはいられないの?




しばらく呆然としたのだけれど、よくよく考えてみれば、そちらの周波数は、当時、さんざん探して見つからなかったものだ。

春の、謎のモーター音で3週間ほど悩まされたときに、その1番の問題の周波数ではなく、そのせいで具合が悪くなって感じとるようになってしまったものだ。


謎のモーター音をA、とする。

Aは、昼も夜も響きっぱなしだった。

おそらくエアコンの室外機の故障だ。

ここと見当をつけた場所は、うちからかなり遠い。

地形の問題で、響きが伝わってきやすい場所で、見当をつけるまで時間がかかってしまって、計測して断定するまでに至らなかった。

探し回っているうちに暖かくなってしまって動かなくなったので、そちらもまだ解決していない。


更にAのせいで体調が崩れ、それまで大丈夫だった別の何かの周波数を体が感じ取るようになってしまった。

この音をBとする。

今回も計測された第二の音だ。

Aが止んだ後、こちらも探して見つからなかった理由は、毎日と言うわけではなかったからと、時間が短かったからだ。

そのうちに体調が回復して、さほど気にならなくなり、この音のせいで夜、起きてしまったり寝苦しかったりがなくなったので、忘れたわけではないけれど、気にしなくなっていた。


つまり、Bはデータだけ見ると、体にかなりこたえそうなのだけど、時々だから、体調さえ良ければ、それほど気にしないでいられる。

春の時のように、別のモーター音で体調を崩したり、今のように、エコキュートの低周波で具合が悪くなったりしなければ、耐えられる音だということだ。


それに、エコキュート より負担かも、というのは、一年で一番小さい音である、今のエコキュート の音量と比較してのこと。

6月末の、今よりつらかった、あの時の音量じゃない。



もちろん、見つけられればそのほうがいいけれど、とりあえずこれは保留にしていいはず。

気温が上がって、エコキュート の低周波が小さくなって、最初よりは楽になって、切れ切れにでも眠れるようになったはずなのに、時々、全然眠れない日があるのはこのせいだったのだろう。


今、エコキュートと一緒に鳴られると、非常に苦しくて、体が痛かったりするけれど、エコキュートさえなくしてしまえば大丈夫。

先にエコキュートの問題に取り組むのでOK。


ちょっと、落ち着いた。





健康な、と言うと語弊があると思うけれど、もともと健康で、エコキュートだけのために体調を崩した人なら、エコキュートさえ何とかしてしまえば問題は解決するのだけど、私のようにそれ以前から過敏症で、エコキュートに息の根を止められようとしている場合には、他にもいっぺんに問題が起こってもおかしくないので、怖い。

エコキュートさえなければ全て解決するのなら、どんなことをしてでもあれを移設してしまうのだけれど。


例えば家の前に、横断幕やら幟旗を立てても良い。


「K田さん、エコキュートを移設してください」


「毎晩、体中痛くて眠れません」



そして毎日、拡声器でお願いする。


でも私は、エコキュートだけなくなっても、その後だっていつ、どんな問題が出てくるか分からない。

近所の方々に嫌がられるわけにもいかないから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る