第25話 カウザルギー5
それまで、実は妹の家に泊まったことがあまりなかった。
妹の家はWi-Fiが入っているし、セコムも入っているので、電磁波過敏の私にはあまり過ごしやすい環境ではない。
それに昼間は近くの工場からの音も響いてくる。
もしかしたら、電磁波過敏が悪化するかもしれないと思ったが、どうせ死ぬかもしれないからだなのだ。悪化するなら悪化すれば良いと言う気分になった。
妹の家で寝具などを取り替えてもらい、衣服も洗ってもらって清潔になってさっぱりしたが、胃腸の症状は収まらなかった。
相変わらず何を食べても、食べる側から切りで出て行ってしまう。
整形外科の医者に症状を話してみたが、それは内科の先生に言ってくれと言われてしまった。
しかし、リハビリでひどく悪化する前から胃腸の症状はあり、いちど内科で診てもらったし、さらに言えば手首の症状の悪化とともに悪化したのだ。何の関係もないとは思えなかった。
私は妹の夫(義弟)とは別に仲が悪くも良くもないのだが、この時期の医者の対応に、
「苦しんでいる患者になんてこと言うんだ」
などと怒っていたと妹から聞いて、少し嬉しかった。
それに、内心どう思っていたかはわからないが、迷惑がっている様子も態度や顔に出さずにいてくれて、ありがたかった。
甥二人も、私が泊まるために片方は部屋を取り上げられ、もう片方は部屋が狭くなったけれど、嫌がる様子も見せなかった。
こちらも、内心でどう思っていたかは分からないけれど、見せないだけでありがたかった。
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