第6話 今・お隣に突進
私はカウザルギーの関係で右手が少し不自由で、福祉のお世話になっているので、そちらの担当の方を通じて、町役場に低周波測定器を借りられるところはないか、聞いてもらうことにした。
しかし、結果が出るのに時間がかかるだろう。
その間もどんどん体調は悪化する。
低周波はとにかく音源の特定が難しい。
意外なほど遠くから届いていることもある。
そうだとすると計測を待つしかないが、その前に自分でできることはないかと考えた。
とりあえず、隣近所のブロワー だけでも調べさせてもらおう。
今朝さっそく、お隣に行ってお願いした。
家に余っているブロワー を持って、ちょっと一晩これを使って試してもらえないかと。
結論を言えば断られた。
どうしても試したいなら、業者を連れてきて、そちらの費用で新しいブロワー にするならいい、と。
前半はともかく、後半は驚いた。
費用こちら持ちは当たり前だと思っていたので、わざわざ言わなかっただけで、確認後、もしお隣のブロワー だったらこちら持ちで交換させていただくつもりだったから。
とりあえずは確認してからと思ったけれど、確認前に言っておかなきゃならなかったみたい。
それに、なんだかすっかり疑われてしまったみたい。
ブロワー の押し売りか何かと思われたのかな。
確かに、たまたまお隣がうちと同じタイプの古い浄化槽だったから、うちに余ったブロワー があっただけで、他の家の浄化槽では型が違ってうちのブロワー では試せない。
去年、発病した頃に色々、使えるブロワー はないかと試して、管理業者さんのレンタル物以外にも自分で買ったのがあって、結局使えず新しいまましまってあったのだが、事情がわからないとたまたま持っているのは変かも。
プロじゃないと触らせないと言うのもちょっと、驚いたかな。
古いタイプの浄化槽ブロワー は単純に空気を送るだけの機械で、水槽についてるやつとかと変わらないらしい。
パイプ引っこ抜いて付け替えるだけなんだけど。
でも、そう言えば私も最初はそうだった。
その時、管理業者さんに教えてもらって、自分であれこれ試すために付け替えた経験があったから、こんなの簡単なのにと思ってしまったけれど。
ともかく、音を近くで確認させてもらえて、私もどうやらこれじゃないみたいと思えたし、こちら持ちなら対策OKとは言ってもらえたので、当初の目的は果たした。
なぜ、みたい、止まりで確信できないかと言うと、音が大きくなったり小さくなったりするから。たまたま音が小さい時間帯だった可能性は少ないけどゼロじゃない。大きい音の時間がどんどん長くなってる気はする。
お礼とお詫びを告げて、帰った。
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