XANXUS~おにいちゃん
神崎真紅©️
1
「あらん、ボスったらまだ寝てるのかしら~?もう朝食の時間なのに~」
ルッスーリアが、ザンザスの寝室に向かった。
コンコン!!
ノックをしてみたが、いつもの罵声が聞こえてこない。
「またリリィと寝てるのかしら~ん」
リリィは……。
あのザンザスの妹で、ザンザスとは似ても似つかない程、愛くるしい。
金色の髪に大きな濃い緑の瞳。
ザンザスの妹でなければ、どれだけの男の視線を集めただろうか?
リリィに近付いて来る者は、全て、兄ザンザスの手で消されて来た。
カチャッ......。
ドアが開いて、眠そうな顔をしたリリィが出て来た。
「おはよ……」
「あぁら~、お早う、リリィちゃ~ん。今朝も可愛いわねぇ」
そう言いながら、ルッスーリアが、リリィのほっぺにキスをした。
「……何をしている?」
「ボス……」
ルッスーリアの顔面が蒼白に変わった。
「おにいちゃん、ルッス姐の挨拶だよ?」
「ボスったら~、あんまり遅いから起こしに来たのよ~」
「誰がそんな事を頼んだんだ?」
「あ……あら~、お邪魔だったかしら~?」
「邪魔だ!消えろ!」
そのままリリィの肩を抱いて、部屋に戻った……。
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