第13話「怪しい男達」
「ざっと400体くらいは狩れたか。広範囲の攻撃魔法でもあれば便利なんだけどな」
これだけのステータスならば、異世界らしいなんらかの魔法が使えるだろうと思いふと呟いた。
「残念ながら勇者様の魔法耐性では広範囲の攻撃魔法は使えません。それに、魔法耐性は魔法生物を倒さなければ上がりません。魔法耐性が足りなくても攻撃は使えますが、その場合大怪我か最悪の場合死にます。」
「なるほど、魔法耐性というのは自分の魔力攻撃にどれだけ耐えられるかどうかを表す値なのか。」
「だいたいはそう考えてもらって結構です。」
(まあ、とりあえず魔法耐性はなくともこれだけの攻撃力があれば問題ないだろう)
ハロルドは1週間ほどで、レベル15になった。
「ここから一番近い村はどこだ?」
「そうですね.....ここからですとネルム村が一番近いかと、東に2kmくらいの森を抜けてすぐの村になります。」
「そうか、では明日はそこに行くとしよう。」
もう転生してから1週間になるのか.....もっともこの世界の1日は20時間と少し短いのだが.....
翌朝、勇者ハロルドはネルム村へと出発した。通り道のモンスターを狩りながら進んでいったが程なくして村に到着した。
すると、鎌やらナイフやらを持った怪しい男たちが空き家のような家に入って行くのが見えたので、ハロルドは後をつけることにした。
そう尾行するのでは手遅れであった。男達は部屋に入るや否や中にいた男を惨殺した。
ハロルドの手は震えている。今はただ様子を伺うしかない。
(中にいるのは女の子.....? 少なくともあの子だけでも助けなくては.....)
男達の話を聞くにはどうやら、女の子の両親が隣村の人々を殺し、食糧を略奪したらしい。彼らはその報復にこの家を突き止め、皆殺ししにきたのだ。
(つまり、彼らは怒っているのだ。ということはこのスキルを適応すれば、この場はやりすごせるか?いや、わからない。冷静になった上で、少女を殺す場合もあるが迷っている時間はない。)
そうして、震える手を扉にかけたのだった.....
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