第6話「勇者ハロルド」
俺は、勇者ハロルド。.....ってこれは仮の名前だけど。本名は木村雄介。普通の男子高校生だ。
ある朝横断歩道を渡ってるお婆さんを助けるために、乗っていた自転車を、全速力で突っ込んできたトラックの車輪にからませて進行方向を変えた。お婆さんは無事に助けることができた。しかし、トラック運転手は重傷を負い、病院に搬送され意識不明の重体となってしまった。
そして、翌日には死亡が確認された.....
目撃者も多かったため、いくらお婆さんを助けるためとはいえ、トラックを故意に転覆させるような行為は到底世間が許してくれるはずがなかった。死亡したのはトラック運転手だけだったが、下手をすれば、周りを巻き込み、甚大な被害者を出したかもしれないこの事件。
そう、被告人木村雄介は有罪、死刑判決を下されたのだった。
「くそ、こんなことってあるかよ。飲酒運転をしていたトラック運転手なんてどうせ生きてたってまた事故を起こしたに決まってる! その事件を未然に防いだんだ。なのに死刑だなんて.....」
獄中での彼の言葉は、看守たちを凍りつかせた。
そして、なんの弊害もなく死刑は執行された。
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