番外編 総司と春の年末座談会
作者注意
この話はメタ要素満載、作品のイメージ壊れまくりな番外編となっています。
あくまで番外編として楽しめる方のみこの先へお進みください。
そういうのは無理と、本編のみ楽しみたいと、そう思う方は即座にブラウザバックすることをお勧めします。
「はーい! もう世間は年末! 一年も終わり! みなさん、いかがお過ごしでしょうか!?」
「……おい」
「一年間、色んなことがありましたよね!? みなさんは何か『失敗しちゃったなぁ』『なんであんなことしちゃったんだろ』なんてことはありませんでしたか!?」
「……おい、戸倉──」
「そういういろいろを振り返って反省して未来に向かう! そんな時期です! 反省、大事ですよね!? というわけで、これからあたし、戸倉春と柴谷総司くんの二人で──」
「勝手に進めるな! てか人の話を聞け!」
「どしたの、総司くん?」
「『どしたの?』じゃないだろ。 何なんだよ、この状況は? 『反省、大事ですよね?』ってお前の反省はどこに消えた? この部屋は何だ? 何で俺と戸倉がこんな部屋で二人きりにされてるんだ?」
「それはね、実は作者さんからこんな手紙が届いてるんだ!」
「手紙? えっと──『話が全く書けない。 少しリハビリしてくるから間を保たせるために総司と春で年末座談会でもしていてくれ。 なお春は事件前の春でよろしく』……何だこりゃ?」
「何かねぇ、この後イベントが控えてるんだけど、あたしと総司くんが出てこないところって、作者さん詰まりやすいらしくてさ。 だから気分転換するぞってことみたいだよ」
「で……俺と戸倉の二人で話してろって?」
「うん! 総司くんと楽しくお話できてうれしいな。 えへっ♪」
「……俺が楽しそうに見えるか?」
「んー……全然見えない。 やっぱあたしがあんなことしちゃったから?」
「……何で疑問形──ああ……事件前の戸倉とか言ってたか」
「そうなんだよね。 一応、本編は読んできたんだけど──」
「今更だけどメタいな……」
「そこは作者さんの突発的な思い付きだから! で、一応読んだけどあたしって小説とか苦手だし、なんか難しいなぁってあんま分からなかったんだよね」
「……戸倉がしたことを俺がどう思ってるかは分かってるよな?」
「総司くんがすごい怒ってるなぁって怖くて飛ばしちゃった!」
「全然分かってないだろ、それ!」
「ご、ごめん……そんなにひどかったの?」
「……いや。 まあ戸倉があの時より前の戸倉なら俺に何もしてないってことになるのか。──怒った俺が悪かった」
「よかった♪ それじゃ二人で楽しく──」
「いや、待て! 未来の戸倉がやらかしたのは変わらないぞ!? もうちょい何かあるだろ!? 読者から見たらサイコパスみたいになってるぞ、戸倉!?」
「えー? じゃあどうすればいいの?」
「どうすればって言うか……そもそも今の俺と事件前の戸倉で話せってのが無理だろ。 帰る」
「でも作者さんの命令だよ?」
「人をひどい目に遭わせまくりの作者なんか──なあ? この部屋、出口なくないか?」
「だね! そこで作者さんから二枚目のお手紙です!」
「だからメタいんだよ……なになに? 『その部屋は作者が次話を書き終わるorセックスするまで絶対に出られ』──作者ぁぁぁっ!」
「うわっ!? 総司くんが怒った!?」
「怒るよ! 怒るに決まってんだろ!? あのクソ作者、自分が俺をどういう境遇に叩き落としたか分かってんだろ!? 怒っても間違ってないだろ、こんなの!?」
「ま、まあまあ! 落ち着いて、総司くん。 ねっ?」
「落ち着けるかっ! 俺と戸倉で絶クス部屋とかあり得ないだろ!? メタなら何でも許されると思うな! 読者さん大激怒だぞ、こんな話!」
「あはは……総司くんもメタいね」
「メタくも……すまん。 戸倉に怒ることじゃなかった」
「いいよ。 あたしのせいでそんなになっちゃったんだし」
「いや、今の戸倉に怒るのは──」
「じゃ、ささっとしよっか」
「何でそうなるんだよ!? アホか!? 今の戸倉にでも怒る時は怒るぞ!?」
「だって、総司くんはこんな部屋に閉じ込められたの嫌なんでしょ?」
「当たり前だろ」
「じゃあ早く出たいだろうしセックスするかなって」
「部屋が嫌なんじゃなくてセックスしないと出られないのが嫌なんだよ!」
「えー? 初めては読者さんも見てないとこで二人きりの方がいい?」
「初めてじゃ──ちょっとトイレ」
「ありゃ? 総司くん、どうしたのかな? えっと……じゃあ読者さんに改めてご説明します!
この企画は作者さんの気分転換で、あたしと総司くんで今年一年を振り返りながら、作者さんの一年も振り返ってみようと、まあそんな企画になっています! あたしも総司くんもいろいろあったし、もちろん作者さんにも「白日」の投稿で印象深い一年になったということで。
一応、作者さん的には年内に今詰まってるところを書き上げて、このお話と続けて投稿したいと、そんな目論見があるそうです。 年明け早々にはあたしと総司くんの大きな転機となるイベントを書いて、みなさんにお届けしたいなと。
まあ作者さんも仕事も忙しいしあたしたちの話を書くのに色々悩んでもいるみたいなので、悪ふざけにちょっとだけ付き合ってあげて──」
「悪ふざけじゃ済まないだろ、こんなの……」
「あ、おかえり、総司くん! 急にどうしたの? お腹壊した?」
「…………今の戸倉に言っても仕方ないからいい。──それより、何で作者は事件後バージョンの俺と事件前バージョンの戸倉なんて組み合わせにしたんだよ? せめて同じ時間軸にしないとテンションが噛み合わなすぎるだろ。 事件前なら俺だって戸倉と……まあ楽しくは話してただろうに」
「んっとね、まず事件の後のあたしと総司くんじゃ暗すぎて面白くないだろうってことで却下したらしいの」
「それはそうだろうな」
「で、事件前のあたしと総司くんだと十八禁になっちゃうからって──」
「なるかっ! どう考えたらそうなるんだよ!?」
「作者さんが言うにはね、総司くんは優しいし物事をちゃんと見る男だって」
「……それで?」
「だから、何か思うことはあってもあたしのいいとこを見てたらちゃんと向き合えるやつだって」
「……で?」
「そんな総司くんとあたしが何ヶ月も閉じ込められたら絶対にイチャイチャし始めてヤルことやっちゃうだろうって──」
「何ヶ月もって何だ!? 年内には終わるんじゃないのか、これ!?」
「そこは作者さんだから! 調子がいい時は一週間で五話くらい書いてたけど、詰まり出すとなかなか進まないからね」
「本気で勘弁してくれよ……」
「で、あたしと総司くんのイチャイチャはその内に書くからしばらく待てって──」
「おい。 ラストのネタバレになってないか、それ?」
「本編のラストはそうはならないみたいだよ? ノクターンノベルズにifストーリーで書くつもりみたい。 ほら! 総司くんとお母さんみたいに──」
「待て待て待て! その話はやめろ!──って何で戸倉が知ってるんだ?」
「ばっちり読んだから!」
「読むな、未成年! 本編を読まないで何てもん読んでやがるんだ!」
「だってドキドキしちゃったんだもん! 総司くんってこんな風にするんだぁって──」
「モジモジするな! あれは俺だけど俺じゃないからな!?」
「あたしもね、あんな風にされたことないけど総司くんにだったら──」
「だから違うって言ってるだろ!? 顔を赤くするな、目を逸らすな、口元に手を当てるな!──もうその話は終わり! 何でこの組み合わせになったかって話だったろ?」
「そだね。 えっと……だからあたしと総司くんの時間をずらさないとなんだけど、事件後のあたしと事件前の総司くんだとあたしがひたすら暗くて総司くんが気を使ってばかりになってこれも面白くないなって」
「それでこれか……」
「そういうこと! それと明るいあたしが書きたかったみたい。 あたしって読者さんには嫌われちゃってるけど、作者さんはあたしがお気に入りなんだって!」
「……俺は作者に嫌われてるんだろうな」
「総司くんのことも好きみたいだよ? だけど男なら耐えてみせろって!」
「俺の敵は作者だってよく分かったよ……」
「とにかくそういうことで、この一年を振り返っていこうかなと──総司くんの2020年はどうだった?」
「2020年の大半は作品完結後の話で振り返りようがないだろ。 俺らの時間は2019年で年末も遠い八月に入るかどうかってとこだ」
「じゃあ2019年のこれまでを振り返って! 総司くんはどうだった?」
「母親の浮気を知って父さんに暴露したら離婚になって、田舎に引っ越したらえらい目に遭わされた最悪な七ヶ月だったな」
「そっかぁ。 でもこれからきっといいこともあるよ! 可愛い彼女ができたりとか! ドンマイ!」
「だからそれの半分はちょっと先の戸倉がやらかしたことなんだよ! 少しは悪びれろ!」
「そうだった! お話を少し読んだだけだからよく分かってなくて……ごめんね! そんなことしないように気を付けるから!」
「気を付けるも何もとっくにやらかしてるから──あぁっ! 作者が変なことするからややこしいんだよ!」
「まああんまり気にしないでいこ!」
「……気に食わないけど仕方ないか。──で? 戸倉はどうだったんだ?」
「もちろん、総司くんが近所に引っ越してきてくれてうれしかったよ! 総司くんと一緒にいるの楽しいし、ずっと一緒にいれたらいいなって!」
「……それはある意味では叶ってるんだけどな」
「そうなんだ!? うれしいな♪」
「……喜べるような状況にはなってないからな?」
「えー? あたしは総司くんと一緒なら幸せだよ?」
「……もういい。──で?」
「ん?」
「『ん?』じゃない。 一年を振り返って反省するんだろ? 色々あるよな?」
「えっとね……ないかな!」
「ないわけ──本っ当にめんどくさいな! 今の戸倉じゃどうしようもないか」
「みんなといつも通りに過ごしてただけだしね。 総司くんは何か反省することは?」
「……あり過ぎて困るくらいにあるけど、今の戸倉に言うのは筋違いだからやめとく」
「そかそか。 じゃああたしと総司くんの話は終わりだね!」
「……事件後の戸倉だったらいくらでも反省させることはあったんだけどな」
「それはほら! あたしはあたしなんだからしょうがないよね」
「……もういい。 で、そしたら作者の話をするのか?」
「そうだね! 作者さんの話は色々あるよ。 驚きの一年だったみたい!」
「あー……カクヨムで投稿始めた頃の近況ノートとか、最初の頃はすごかったもんな」
「本当に驚きだったみたい! それまで書いてたのが──」
「異世界転移もののチートファンタジーで『三回目の魔王討伐』と『勇者召喚──勇者の俺よりじいちゃん無双な漫遊記──』だな。 こっちは大して読まれなかったんだよな」
「最初はなろうで投稿してて、でもそうだね。 少しはブクマされたりもしてたけどあんまり読まれなくて、それでも作者さん本人は楽しんで書いてたんだよね」
「底辺作家を自称してたしな。 まああのレベルだと間違ってはいないんだろうけど──でもどっちも俺らの話とはイメージ違うよな。 『勇者召喚』は少し近い部分もあるけど基本はコメディだし……何でこんな話を書き始めたんだっけか?」
「きっかけはとあるエロマンガで──」
「女子がエロマンガとか言うなよ……」
「まあまあ。 でね、そのマンガを読みながらふと『こういう状況を喜ぶ男ばかりじゃない』って思って、いくつかの場面が浮かんできたんだって」
「まあ小説なんか書いてるとよくあるんだろうな」
「特に作者さんはそうみたい。 で、『三回目』も『勇者召喚』も表現に詰まってどう書こうかって悩んでる時に、あたしたちの話が頭の中に溢れてどうしようもなくなっちゃったんだってさ。 仕事も手につかなくなっちゃったとか」
「ADHDを抱えてるのもあるんだろうな。 何かに意識が向くと他のことに意識が全然向かなくなるって言うし」
「だね! だから仕事をサボって書いてたんだって」
「……典型的なIQの高いバカだな」
「そなの?」
「発達障害ってIQ高い人が多いんだよ。 検査もIQテストやるしな。 作者が124。 東大生の平均で120くらいだな」
「何かそう聞くとすごいね!」
「IQ高くたってバカはバカだよ。 作者も自分でそう言ってるし。 自分に勘違いしないで身の程を知ってるってのは作者の唯一の取り柄だろうな」
「まあ悪いことじゃないんじゃない?──で、最初は投稿する気もあまりなかったんだよね?」
「『Web小説と言えば?』って考えた時に浮かぶイメージとはかけ離れ過ぎてるからな。 チートファンタジーで読まれなかったのにこの作風で読まれるなんて欠片も思わないだろ」
「それでもせっかく書いたんだしって、少しでも読まれればうれしいなって、完結までに二千から三千、多くて五千もPVが付けば御の字くらいに思って投稿したんだよね」
「それがなぜか日に日にPVが増えて……近況ノートを書きまくってたよな」
「今じゃカクヨムもなろうも十万越えて、ランキングも一桁台に入ったり、すっかり作者さんの代表作になっちゃったと」
「行き当たりばったりで書いてて宣伝もしてなった作品が何でそんなことになったんだろうな」
「それを一番不思議に思ってるのが作者さんでしょ? お話の大事な部分、ほとんどその場の思いつきで書いてたみたいだし」
「代表的なところが俺が引っ越した理由な。 一話を書き始めて電車を降りるって時に『あ、理由がいるな』って考えて即興で作ったって言うんだから」
「すごいよね。 それがお話の中で重要な部分になってるんだもんね」
「クラスメートも最初はモブ扱いだったからな。 設定を考えたのが戸倉と初めての登校シーンを書き始めてからだぞ? どれだけ直前で作ってんだよ、本当に」
「洋介たちかわいそー。 でも洋介たちのキャラも総司くんの特技も即興で作ったのに今書いてるイベントに繋がるんだよね。 タイトルの変更もそうだけと最初はそんなこと考えてなかったんだよね?」
「感覚派っていうかそうやって積み上げたのを拾っていくのが本能的に上手いんだろうな。 じゃなかったらとっくに破綻してるだろ、この話」
「すごいよね。 プロットとか書けばいいけどそういうのできないんだっけ?」
「それこそADHDのせいでな。 整理とか構成を組み立てたりが致命的に苦手なんだと。 ただそうやって上手く繋げられるのは伊達にIQが高いわけじゃないってことだろうな」
「後で気付いたら伏線になってたのがあってびっくりしてるよね」
「まあ何だかんだで書き続けて評価もされて、作者としては読者さんに感謝の毎日だろ」
「コメントもらって考えさせられて、それで話が大分変わったりよくなったりしてるしね。 おかげで評価も上がって……あ、でも作者さんが読者さんについてすごい不思議に思ってることあるよね」
「何の話だ?」
「ほら! 野上先輩が出てきた話のこと」
「ああ……あれな」
「うん! あの話を投稿してからカクヨムのPVが激減して、逆になろうでは倍増したの。 あれって何なんだろうね?」
「それまではカクヨムが1.5倍くらいのPVが付いてたのに今じゃ逆転してるんだもんな」
「おかげで作者さんはあの話が失敗だったのかどうかでいまだに頭を悩ませてるみたいだよ」
「まあ相対的には成功したんじゃないのか?」
「でもそれまでカクヨムで熱心にコメントくれた読者さんのことを裏切ったみたいで悩むって。 まあ仕方ないんだろうけど」
「次の作品に上手く活かしていくようにするしかないよね」
「次回作か……『黒猫ナイトの縁結び』か?」
「あれはコメディだからもうちょっとシンプルに書き直そうかって考えてるみたい。 今考えてるのは『歪なNTR
「何か『白日』と似たような匂いがするな……」
「胸糞ではないみたいだよ? 友情ものなんだって」
「そのタイトルで友情ものって……どんな話になるんだかな」
「まだ色々悩んでるみたいだけどね。 長編か短編か、一般向けか十八禁にするかって」
「……十八禁が選択肢に入る時点で胸糞確定じゃないのか?」
「それが違うんだって。 どんな話になるかはお楽しみに、だってさ」
「何か……チートファンタジーはどこに行ったんだかな」
「今は恋愛ものばっかりネタが降りてくるんだって! そういう意味でも『白日』の影響は作者さんの中でもすごいみたい。 でも『三回目』と『勇者召喚』もちゃんと書くつもりらしいよ? それと序章だけなろうに投稿してある『最強種族の激弱
「そう思うことは大抵、誰かがすでにやってるもんだけどな。 仕事も忙しいし実際に書けるかも分からないんだろ?」
「それはそうかもね。 でも書きたいって! まずはあたしたちの話を終わらせないと、だけどね」
「まあ……作者にとっては思い入れの深い作品になったわけだしな。 俺としては作者には文句しかないんだけど……」
「あたしは作者さんには感謝しかないけどね! 総司くんと会えたし!」
「……ほんの数日後には作者に対して文句しか出なくなるのを覚悟しておけよ?」
「でも作者さんは最後にはあたしと総司くんにハッピーエンドを用意してるって言ってるし。 楽しみだな♪」
「……どうしたらそうなるのか想像できないんだけどな」
「それもお楽しみに、だね!──あれ? 何だろ、この紙?」
「どうせ作者からだろ。 何だって?」
「えっと──『書き終わった。 これでイベント本編に進んで行ける。 お疲れさん』だってさ!」
「ずいぶん早く済んだな」
「作者さんとあたしたちじゃ時間が違うからね! 実際には十日くらいかかったんじゃないかな?」
「……だったら事件前の俺と戸倉でやっても問題なかったよな? 何でこんな目に遭わされてんだか……」
「あたしは楽しかったよ! じゃあ作者さんの今年の更新も書き上がったお話で終わりだろうし……みなさんにご挨拶かな!」
「そうだな──読者のみなさん。 今年一年、『白日』を応援していただきありがとうございました」
「来年も、作者さんはがんばって書いていくそうです! ただお仕事も忙しいので間が空いたりはしそうですが、途中でやめることはないそうなのでよろしくお願いします!」
「俺と戸倉、それにクラスメートたちがどうなるか、楽しみにしながらお付き合いください」
「そして! 『白日』が終わった後の作者さんの新作も楽しみにしててください!」
「それじゃみなさん、よいお年を。 お相手は柴谷 総司と」
「戸倉 春でした!」
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