ゴッズゲーム 〜ノノとルガーの奮闘記〜

ネギざうるす

第1話 プロローグ

「冒険を始めたいか?」


 目を開けると、真っ白な世界にいた。

 泡のようなものが下から上に登っていく。

 いや、私が下に落ちてるんだ。


 でも、落下してる感じはしない。

 そもそも私に体はない。

 記憶もない。

 自分が誰かもわからない。

 魂だけが落ち続ける。


 声の主は見当たらない。

 どこからともなく質問されて、私は反射的に答えていた。

 口はないので、心の声で。


 ーーはい。


「職業を選べ」


 すると私の視界いっぱいに、何かの項目がずらりと並んだ。



 剣士      武闘家

 戦士      修道士モンク

 騎士      僧侶プリースト

 サムライ    司教 

 将軍      巫女

 軍師      竜巫女

 竜騎士     精霊使シャーマン

 聖騎士     陰陽師

 暗黒騎士    神官

 狂戦士     祈祷師

 決闘者デュエリスト     予言者

 傭兵      預言者

 盗賊      悪魔祓エクソシスト

 海賊      枢機卿   

 山賊      教皇

 暗殺者     弁護士

 ニンジャ    占い師

 弓士      曲芸師

 銃士      無言劇パントマイマー

 狩人      錬金術師

 魔法使い    戦乙女ワルキューレ

 魔法剣士    踊り子

 制定者     娼婦

 賢者      商人

 哲学者     村人

 数学者     鍛治士

 狂信者     建築士

 開祖      教師

 悪魔使い    医師

 呪術師     薬師

 死霊使ネクロマンサーい    漁師

 吟遊詩人    羊飼い

 調教師     料理人

 音楽家     村長

 宮廷魔法使い  長老

 王子プリンス      伯爵アール

 王女プリンセス      侯爵マークィス

 キング       公爵デューク

 女王クイーン      大公グランドデューク

 皇帝エンペラー      魔王サタン


 うわぁ……。


 ゾッとするような数の選択肢に、私は考えることをやめていた。

 ぶっちゃけ冒険が何なのかもよくわかっていない。

 ほぼ勢いで答えたようなものだ。

 職業もいっぱいありすぎて選べないけど、私が決めたのは、


 ーーじゃあ、一番最初の剣士ってやつで。


「信頼できる仲間は必要か?」


 今度は仲間か。

 まあ、いないよりは全然マシか。


 ーーはい。仲間欲しいです。


「お前の名前は何だ?」


 名前か……。ぶっちゃけ自分が誰かもわからないし、答えようもないな。

 もう何だっていっか!


 私はパッと思いついた名前を、どこの誰かもわからない声に向かって教える。


 ーーノノです。


 次の瞬間、何の前触れもなしに私の意識と視界は真っ白に染まりました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る