桜花は一片の約束-同題異話SRに出会ったJSの話-

幸野曇

同題異話SR1期に計5回参加したとある小学生-1

 私が同題異話SR……否、同題異話を知ったのは、蜜柑桜様の作品『さいわいなことり』だった。


 2019年9月29日。私は初めての自主企画『企画内容に書かれている言葉の要素が1つでも入っている3万文字以内の作品』を立ち上げた。

 今思えばただただ長ったらしくて言ってる意味がよく分からない名前なのだが、当時の私はそんな事なんぞ気にせず、どんな作品が、どんな人が参加してくださるのだろうかと胸をときめかせていた。


 案の定沢山の作品が集まってきた。そりゃ10個も要素提出してるしどれも大雑把極まりないし、当然といっちゃ当然だろう。早速私は作品を漁り始めた。

「あ、これ良いかも」そう思った作品を読んでみて、ハートを押したり応援コメント書いたりレビューも書いてみたり。あんなに多くの人々と関わった事が無かった私にとってはどの行為も新鮮で、とても楽しく読んでいた。


 そんな時、『さいわいなことり』に出会った。なんとなく気が向いてタップした作品、半分適当とも言える決め方だった。この人のこの作品はどんな感じなんだろう、題名はどういう意味なのだろう。そんな事を思った記憶がある。


 一行目を読んだ……衝撃だった。確かに童話っぽい、というか口調はモロ童話。でも、盛り込んであるものの量は幼稚園生向けのこの上なく易しい絵本とは比べ物にならなく、それこそ明治の文豪が遺した大作のような。そして、言い回しがとても丁寧。すっと目に入ってくる、シンプルさを保ちつつ飾られた活字。一瞬の内に、この『さいわいなことり』が大好きになった。


 その作品のあらすじ部分に戻ってみた。同題異話、聞き慣れない言葉だ。とりあえずスルーして作者の画面に飛んでみると、作品一覧には『同題異話にありがとう』の文字。嗚呼、きっとこの同題異話という企画はとても良いもので、それに参加した方々はとても良い思い出になったのだろう。そう思った。


 それから何日か経ったある日、蜜柑桜様が新作を投稿したとの通知が来た。タイトルは『愁いを知らぬ鳥のうた』。愁の読み方は分からない。けれどめちゃセンスのある題名だ、それが第一印象だった。

 小説画面に飛んでみると、最初に目に付いたのは参加している自主企画の欄。同題異話SR、なんか見たことのある字面だ。でも、以前見たものとは違い、意味は分からないが『SR』が付いていた。一秒一秒、同題異話が気になっていった。


 蜜柑桜様の『愁いを知らぬ鳥のうた』、それが同題異話SRを知ったきっかけだ。

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