20話 日本軍幹部達と天使達の忘年会
中破は、沙理江から地球生命及び人類の発祥、そして全ての天使達の成り立ちと人となりを説明され。一通り理解した。
次に天使達を交えた宴会形式ならば、温泉施設等を利用したいところであるが、普通の民間施設ではセキュリティ関係に問題があるため、防諜関係に優れた市ヶ谷地区内に造られた保養施設に場所を決定した。
次の問題は給仕関係であった。
料理人は軍OB調理師で済むが、メイドや俗に言う性接待に近いモノを求められる可能性があることを苦慮し、沙理江に相談を始めた。
「沙理江、そういえばガヴリエルはセクスロイド多数を操っているのだったよな」
「ハイ、籠絡系アンドロイド体のセクスロイドを妖艶系コンパニオンとして派遣することが可能ですよ」
「数は10人位か?」
「いえ、100人でも200人でも、閣下の要望する数なら1万人でも可能です」
「沙理江、冗談でもそこまでは要らないけどな。真面目にいうと1人当たりに2人かな?」
「分かりました、閣下。ガヴ姉様にメイドとコンパニオンの件は相談致しますので、その点は御心配なく」
「頼むぞ」
~そして宴会当日~
会場は立会パーティー形式にした。
一通りの挨拶と紹介が終わると、天使達の一番人気は、やはりガヴリエルであった。
それと、ラジエル、レミエルも若い官僚や技術系スタッフが若干数集まっていたが、ミカエル以下3人の天使達には誰も男性陣は寄りつかなかった。
「3人共に原色スーツとパンツの上下か。
赤色がミカエル、オレンジがウリエル、紫色がラファエルか。
しかし、○塚女優みたいな雰囲気だな。アレだと確かに格好良いけど、女性官僚しか集まらないよな」
そのことを考慮し、事前に沙理江はガヴリエルに男性型コンパニオンロイドを用意するように連絡していた。
ガヴリエルに集まっていた男性陣は、ガヴリエルが用意していた妖艶型ロイドに徐々に引き離されて、ようやく一人になりつつあった。
ガヴリエルの姿は淡いピンク系のパーティードレスで、思い切り胸元に切り込みが入り、多分見た目は沙理江のGカップより大きく見え、おそらくはHかIカップ以上あるのだろう。
長めのワンピースドレスであるが、足に太股近くまでスリットが入っているため、綺麗な伸びの良い足が見え隠れするため、つい先程まで男性陣に囲まれるのは当然ともいえた。
中破はここはチャンスとばかりに、ガヴリエルに話し掛けた。
「どうも、ガヴリエル様。私は初めましてで良いのですよね」
「あら、中破閣下。私はいつも貴男を見守っていましたよ。
そしてサリエルを始め、ラジエル、レミエルの2人も秘書として可愛がってくれていることに、改めて感謝致しております」
「ガヴリエル様からのお礼の言葉、有り難うございます」
「閣下、私に『様』等の敬語は要りません。
出来れば直接『ガヴリエル』か、またはサリーやレミと同じように『ガヴ』の愛称で呼んで下さい」
「はあ、分かりました。ガヴリエルさん」
「閣下、『さん』も禁句です」
「分かった、ガヴリエル」
「ハイ。それで結構です。
閣下、今現在、私の部下が貴男を総理にさせるために暗躍しています。
総理になった暁には、私もサリー達のように愛して下さいね」
「え?あ、ハイ、その点は検討しておきます」
「それじゃサリー、閣下をヨロシクね」
「ハイ、お姉様」
「(おい、沙理江。何でガヴリエルは俺と関係したがるのか?)」
「(それは、女神ガイアが愛した人間の男だからでしょうね。)」
中破と沙理江はガヴリエルから一旦離れた後に小声で会話していた。
「沙理江。一応、ミカエル達も話し掛けた方が当然良いよな」
「そうですね。今後の展開では、彼女たちの力が必ず必要になりますから」
「うむ、分かった」
中破と沙理江はミカエル達が集まっている場所に向かった。
「あら?サリー、久しぶりじゃないの」
「ラファエル姉様、お久しぶりです」
「へえ、ずいぶん女性秘書らしくなったわね」
「ウリエル姉様、お久しぶりです」
「その辺で止めないか、2人とも。サリーが困っているじゃないか」
「済みません、貴女が天使ミカエル様ですね」
「貴男は中破国防大臣でしたね。
それと、私には敬称は必要ありません。『ミカエル』とお呼び下さい。
なお、コチラの2人も同様です」
「分かりました。ミカエル、ラファエル、ウリエル。改めて初めまして」
「コチラこそ初めまして」
「それと、ミカエルには米軍相手に武器供与について働き掛け、かなりの数の兵器を供与してくれる約束を取り付けてくれたと、沙理江から聞きました。
改めてそのことについて感謝致します」
「いえ、ガイア様からの命令ですから、当然のことをしたまでです」
「それよりも、中破閣下。閣下はガイア様のお気に入りと天使の間では評判ですよ」
「止めないか、ラファエル」
「それに、妹達3人は既に閣下の虜で、後はいつガヴリエル姉様と仲良くなるのかが楽しみでならないのですけどね」
「コレッ!ウリエルも止めんか、閣下が困っているだろうに」
「ハイ、済みません。ミカ姉様」
「多分、閣下も気付いていると思いますが、我々3人は太古の昔は男性型天使だったのです」
「ハイ、そのことは先日沙理江から聞かされました」
「それならば話が早くて済みます。
私達3人は、貴男のような屈強な男性には正直言って興味が無いのです。
私の周りにいる細身の中性的な男性が接待しているのは、多分ガヴリエルの配慮だと思います。
中破閣下、女性としては貴男には協力できないが、共に戦う同士として一緒に協力して行くことを誓おう」
「分かりました。コチラこそ宜しく願います」
中破はミカエル達3人と握手をし、その場を分かれた。
「うーん、あのノリと口調は『宝○の男装女優』だよな。
確かに美しいのだけど、格好良過ぎて苦手なんだよな」
「そうですね、私もどちらかというと苦手ですよ」
「まあ良い、次の集まりのところに行くぞ」
「ハイ、閣下」
中破と沙理江は、技術スタッフが集まっている場所に向かった。
「お!ここでは玲美と蘭子が人気者か」
「2人共若くて可愛いですからね」
「閣下、先日蘭子さんが持参した電磁バリア発生装置は参考になりました。
今まで一部分の空間しかバリアを張り巡らせなかったのですが、この技術によって空間全体を張り巡らせるようになり、コレで艦船や戦車等が敵の砲弾やミサイル等の攻撃を受けても、ビクともしない兵器が完成する予定です」
「ほおう、それは凄いな」
「それと、この電磁バリア機能を小型化することで、各兵士の身体にバリアを張り巡らせることが出来、兵士の死亡率が圧倒的に下げることが可能です」
「死なない無敵兵士の軍隊か。早急に小型化の実現化を進めるように」
「了解です、閣下」
「閣下、蘭子さんがミニ核融合炉のサンプルを技術研究所に持ってきてくれたのですよ。実に感動モノです」
「それをウチの電力システムに接続して稼働させたのは、そこにいるコスプレ少女の玲美さんなんです」
「そうか、それは良かったな」
「コレを早急に量産し現在ガスタービンエンジンのイージス艦やミサイル艦、いずも型やおおすみ型も換装する予定で、大幅燃料費が浮く他に原子力と同様に燃料補給が要らなくなりますから、遠洋航海で燃料切れの心配が無くなります。
さらに核融合炉(以下NF炉略)で発生する豊富な電力で、電磁バリア機能を常時発動出来るため、コチラも無敵軍隊になる可能性が高いです」
「おお、その件は早急に頼むぞ。それと潜水艦関係はどうかな?」
「今あるモノは船体的の大きさからチト無理ですね。もう少しNF炉が小型化したら搭載を検討します」
「どちらにせよ、頑張ってくれよ」
「閣下のお褒めの言葉、有り難うございます」
今回の顔合わせ兼忘年会で、一番成果が得られたのは技術研究所班だったのかも知れない。
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