大いなる眠りの深淵にて

池塘春草

序章 夢への扉

暗闇の中でスマートフォンの光が揺らめいた

光は足元を照らし眼下に瓦礫を示す

間違えないここだ。

100年ほど前私の大叔父に当たるカーターが発狂し、目指した場所だ。

手で瓦礫を動かすと魔法陣が出てきた。

これは悪魔崇拝に使われる、逆五芒星だ。一般にはそう認識されている。

だが本来の意味は、悪魔よりも恐ろしい存在のいる次元につながる扉だ。

いよいよ、私にとして生きる時が来たのだ。

みじめで、矮小、ただ恐怖するだけで、すべてが無に帰すことがないように祈るだけのである必要はもうなくなる。


五芒星の周囲に聖水を撒く

この聖水は旧支配者の使いを殺して強奪して手に入れたものだ。

そして、魔法陣に供物として昨晩に切断した私の左腕と、実の妹であるキャシーの首を中央に捧げる。

最後に外なる神アウターゴッドと繋がるための呪詛を言う。






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