第11話 爆発と新メンバー
いつもの広場にいつもの2人、ともう2人の4人が集まっていた。
「今日はどうすんだ? モンスター狩り?」
「カナとセシルは装備が心もとないから、今日は買い物に行ってからにしましょ」
普段女子の買い物とはついていきたくないものだが、ここはゲームの中。ストレージにしまえば持つ必要もありません。
結局4人はカナ用のバックパックとグレネード弾、セシルの装備と後取り付け式のサプレッサーを買いました。
「よし! じゃあ出発ー!」
しばらく進むと、サチが何かを見つけました。その視線の先には草原、その中を歩いているプレイヤーを見つけたようです。
「3時の方向に敵。距離は700m、4人の軽装プレイヤーでこちらは見つかっていな
いわ。武器は多分アサルト系が3、サブマシンガンが1」
「わかった。じゃあ俺がここから撃つ、とりあえずカナとセシルはあのへこんでいる
とこから近づいていって」
なんだか軍隊のような口ぶりに少々固まったカナとセシルでしたが、すぐ行動に移しました。草原のなかにところどころある不自然なくぼみに入り、かがんで少しづつ進んでいきます。
アルガの銃が火を噴く。音速を越えて飛翔していく鉛は、頭蓋骨を破砕して1人のプレイヤーのHPをゼロにしました。周りのプレイヤーは驚きながらも、すぐに伏せました。伏せると草原の中では何も見えなくなりますが、それは相手も同じです。2発目の弾丸は、伏せている男たちの上を通り過ぎました。
「セシルはあと200メートルくらい走ったら4時の方向に撃って。カナはそのまま」
時に伏せていようが隠れていようがばれてしまうこともあります。そして今はその時でした。サチの索敵スキルによって、敵の場所はほぼわかっています。
銃撃が再び響きました。アサルトライフルの軽い連射音です。リズミカルに撃ちだされる銃弾が、敵の周りに飛散しました。その中には4人の屈強そうな男たちがいました。
「おい! このまま近づかれておしまいだぜ」
「まあまて。しばらくは様子見だが、サブマシンガンだけ構えておけ」
他の男達もうなずきました。数メートル間隔に離れて、辺りを警戒します。しかし視界は悪く、150メートルほどにいる少女に気づくことはできませんでした。かれらの近くに大きな弾が落ちて辺りを吹き飛ばし、何人かの体が光の泡となって消えていく。
「よし! 全員やった?」
「あっまだ残ってる! カナ伏せてっ」
全滅したと安心していたカナは反応が遅れてしまいました。飛んでくる鉛に体を撃ちぬかれ、吹っ飛ばされる。カナの視界がグルグルと回ります。やがて足音が聞こえてきました。
「くそっ、こいつだけでも殺ってやる!」
カナの目の前にはアサルトライフルを構えた男が立っていました。そして、その銃口が眩しく光るのがはっきりと見えました。
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