第7話 爆発とダンジョン②

ボスモンスターのHPは、残り半分ほどになった。モンスターを包囲するように3手に分かれて、攻撃を分散している。


「そろそろ攻撃方法が変わるぞ! 注意しろ」


アルガが叫んだ。すぐにボスの動きが変わった、角まで生えてきた。そしてカナのほうに向かって走り出した。


「きたきた。置き土産だよ!」


そう言うと、近くにあった柱の後ろに隠れる。すぐにモンスターがやってきて、柱ごとなぎ払おうとしたその時だった。ものすごい爆音と、モンスターの足元でまばゆい光が放たれた。


「グオォォォン!」


ボスモンスターが倒れた。さきほどカナがいた場所が大きくえぐれている。カナはノーダメージではないが死亡はしておらず、こちらへ向かって走ってきている。


が、このまま終わりではなかった。


「カナ、危ない!」


後ろでボスモンスターが立ち上がった。HPゲージがあとわずかに残っていて、カナへ深紅に光る口を向ける。セシルは急いでアサルトライフルを構え、撃った。弾丸はモンスターへと吸い込まれていったが、それだけでは倒せなかった。発砲音が乾いた音に変化し、セシルの銃からは弾が出なくなった。間に合わない。


そのまま熱光線に焼かれるはずだった。しかし仲間は、2人だけではなかった。

セシルの横から飛んだ弾丸がモンスターの目から鮮血をあふれ出させた。口の光が消え、代わりに体全体が光に包まれ消滅した。セシルの隣には、アルガがいたのだった。


「ふう。危なかったな」


ラストアタックボーナスを確認しながら、アルガは立ち上がった。そして現れた転移ゲートへと向かう。


「ちょっアルガさん? 報酬はいいんですか?」


「あぁ。俺はラストアタック貰ったしお前らにやるぜ。じゃあな」


そう言うと転移ゲートへ入り消えてしまった。その後アルガからのフレンド申請が届く。


「その場でフレンド登録すればいいのに……」


「セシル! 早く報酬確認しようよ、金色に光ってるよ!」


2人のそばには宝箱が現れていた。カナの言ったとおり、中から金色の光が溢れるエフェクトがあった。ダンジョンボスの宝箱はエフェクトなしから銀、金色の順に内容がいい。それは初心者のカナも知っていたので、期待が高ぶる。


そして、カナが蓋を開いた。


「なに? この銃」


カナは思わず呟いてしまう。中に入っていたのは銃なのだろうが、中央部が円柱状に大きく膨らんでいる。とても奇妙な銃だった。


「セシルー、この銃はなに?」


セシルも宝箱の中を覗き込、記憶を探り出す。


「……こんな形の銃は初めて見た。名前とかわかるし一度装備してみたら?」


カナは異形な銃を取り出す。装備取替えウィンドウが出現して、「装備を取り替えますか?」と表示が出た。はいを押して、内容を確認する。

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