第137話 スルメの冒険・その11


読めば読むほど味が出るスルメの冒険です。


――――――――――――――――――――



 グレイフナーの国境を越えて、オレ達は『青湖せいこ』と呼ばれる有名な観光地へと足を踏み入れた。

 でも観光するわけじゃねえ。

 一刻も早く『砂漠の国サンディ』へ行くのがオレ達の目的だ。


 アメリアさんが手配していたゴールデン家の船を見つけ、ミスしたらタダじゃおかねえぞ、と言わんばかりの空恐ろしい眼力を下っ端へ飛ばしまくる。

てきぱきと対岸へと向かう準備が完了すると、バカでかい『青湖』を渡航するため、船に乗り込んだ。


 船はまあまあの大きさで、帆も立派。

 乗組員は風属性の魔法使いが順繰りに帆へ風を送る。

 風魔法の繊細な操作と、持久力が重要だ。


 オレには無理。

 細けえことは苦手だ。


 そんなことを考えつつ海を眺めていたら、横でテンメイが三脚にカメラを置いて大声を上げた。


「ああ、何て美しいんだろうスルメ君! 見てくれあの水辺を飛び跳ねるサンショウトビウオの群れを! 水面が恋慕の神ベビールビルの口づけのように揺れて、水しぶきが甘い誘惑を撒き散らすグーデンモールのサキュバスのようじゃないか!」

「ああ? 魚がぴちぴち跳ねてんな。食えんのかアレ?」

「ウォォタァプルゥゥゥゥフ!」

「うるせ! おめえ耳元で叫ぶんじゃねえよ!」


 オレの言葉なんて全く聞かず、写真家のテンメイが水面に向かってシャッターを切った。そしてカメラを三脚でおっ立てたまま素早い動作でデッキの手すりに両手をつけ、ずんぐりむっくりした身体を伸ばし、頭を水面へと下げた。


「オロロロロロロロロロロロロロ」

「ぎゃあああ! また吐きやがった!」

「ロロロロロロロロ」

「まじ汚ねえクッソ汚ねえ! 顔にちょっとかかっちまったじゃねえか!」


 船酔いしまくるテンメイが吐くこと十数回。

 叫び声を聞いて、ぱたぱたと甲板をエイミーが走ってくる。でけえ胸がそりゃもうこれでもかってほどに揺れる。やべえなアレ。


「大丈夫テンメイ君?」

「ああ…申し訳ない…。どうにもすぐに酔ってしまう体質で…」

「船の錨をおろし、ヨーソレヨーソレ俺たちゃ唄う…“船妖精の釣床シーシックハンモック”」


 エイミーが杖を取り出して流れるように詠唱する。

 垂れ目が真剣に閉じて杖が掲げられると、緑色のツタがテンメイに絡みつき、ハンモックの形に変形して宙に浮いた。テンメイの頭と足から生えるツタが甲板にしっかりと根を生やし、支柱になっている。


 これもう五回目だからな。

 まじクッソいい加減にしてくれ。


 つーかエイミーの木魔法、なにげに中級だから。

 どんだけ才能あんだよ。

 状態異常回復の魔法はリアルに習得がむずい。『酒酔い』『船酔い』『魔力酔い』の三大酔いを完全除去できるのはいずれも木魔法中級“酒嫌いの清脈妖精クリアウォーター”、“船妖精の釣床シーシックハンモック”、“微笑みの七色妖精レインボースマイル”の三種類だ。


 どれか一つでもできりゃ、一生食いっぱぐれることはねえ。

 なんたって完全除去だからな。グレイフナーの大貴族なら三大酔いの除去魔法が使える魔法使いを必ず雇用している。うちの家でもオヤジがクソ酒飲みだから、たけえ金払って“酒嫌いの清脈妖精クリアウォーター”を使える魔法使いを雇ってるぐれえだ。

 状態緩和の魔法なら下位上級、上位下級にもいくつかあるが、習得難易度がちげえんだよな。

 この魔法、冒険者ランクでいうならAランク級の難しさだ。

 ちなみに、“船妖精の釣床シーシックハンモック”は船酔いだけじゃなく乗り物酔い全般に効果があるため、様々な場所で重宝される。まあ一番酔いがキツイ船酔いに効きゃあ他の馬車酔いとかにも効くわな。


 あとヤベエのは白魔法。

 白魔法中級“加護の光”でも完全除去までいかないにしろ、相当の状態緩和が見込める。つーか白魔法の汎用性の高さが異常。出来たら一生食いっぱぐれないどころか豪邸が建つぜ。まじで。光魔法クラスの担任のハルシューゲ先生でも白魔法の下級が限度らしいからな。

 同行してくれているシールドのジョン・ボーンさん、しょぼい顔してんのに白魔法下級が使えるからやべえ。身体強化も得意らしいし。いやーやっぱシールド尊敬するぜ。


 テンメイが露骨に顔を赤くして、ツタのハンモックに揺られながらエイミーに礼を言っている。誰がどう見ても惚れてやがる。

 惚れる気持ちは分かる。美人でちょいとヌケてるところがあるが、そこをひっくるめて可愛いし、スタイルいいし、めっちゃいい匂いするし。まあオレはサツキの方が断然好みだけどな。


「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


 船尾から叫び声が聞こえた。

 なんだ?

 オレとエイミーは顔を見合わせ、“船妖精の釣床シーシックハンモック”に揺られるテンメイを置いてそちらへ向かう。


「魔力を循環させないと死ぬわよ!」

「だばばばばばばばっ」


 おおう。これはひでえ。


 亜麻クソが両手を縛られて船尾から伸びるロープにくくりつけられ、水面を疾走している。

 ロープの長さが十メートルほどあるのと、船体が相当なスピードで走っているため、亜麻クソは湖の水面で尻を跳ねさせ、市中引き回しの刑みてえに引っ張られていた。うっとおしい前髪が水しぶきで顔に張りつき、顔にはいつもの余裕がない。そらそうだ。


「弱音を吐いたらその時点で放り出すわ!」

「吐いてまぜぇん!」

「よろしい!」

「この……ぶぉくが…これしきのことで………弱音を吐くだばばばばばば」


 カッコつけようとして亜麻クソが沈んだ。


「“爆発エクスプロージョン”!」


 水中で小規模の爆発が起こり、ドグワッという音がして亜麻クソが浮上する。


「両足で水面を捕まえるのよ! すかさず魔力循環!」

「だばぁっ!」


 この訓練、オレ達のときよりもキツイんじゃね?


「死ぬか魔力循環させるかどっちかよ!」

「だばぁっ!」


 船の針路にサンショウトビウオの群れがいたのか、足を使えと言われているのに尻で水面を滑る亜麻クソの周囲を小馬鹿にするように、跳ねては潜り、跳ねては潜りを繰り返す。体長約二十センチ、ヒレが翼の形になっているサンショウトビウオが海から飛び出し、亜麻クソをわざと跳び越えるように空中で弧を描く姿は、笑っちゃいけねえと思うが腹の底から込み上げてくるもんがあった。


「あら二人とも、課題は終わったの?」

「ええお母様。それより…」


 バルコニーで茶を飲んでいるかのような優雅な仕草でアメリアさんがこちらを振り返る。

現に、甲板の上にソファー持ってこさせて紅茶飲んでるんだけどな。

しかもシールドのジョン・ボーンさんに給仕させてるし。


 エイミーがさすがにやりすぎでは、という目線を亜麻クソに向けていることに気づき、アメリアさんはこくりと頷いた。


「これはシールドでも伝統的な魔力循環法『水面滑走』よ。落第騎士に施す強制訓練で、この方法で身体強化が上達しなければシールドを除隊になるわ」

「そ、そうなんですね」

「物騒なことを言っているけど死んだりはしないから安心なさい」

「ああ…よかったぁ」


 誰にでも分け隔てなく優しさをみせるエイミーを、愛おしそうにアメリアさんは目を細めて眺めた。

 その後ろでは亜麻クソが「だばぁ!」と叫びながら身体を丸め、器用に尻でくるくると水面を弾きながら滑走している。いい雰囲気がぶち壊しだ。


「ドビュッシー君、根性みせなさーい!」

「ひでえなこりゃ!」


 いつの間にか様子を見に来ていたサツキが右腕を振って声援を送り、サツキと一緒に来たらしいガルガインがこの訓練法を恐ろしげな顔で見て叫ぶ。


「がんばって~!」


 エイミーが船尾の手すりに手を掛けて大きな声を上げる。


 美人な女子二人の声援を受け、女好きの亜麻クソは気合いを入れたのか、猛スピードで走る水面へ両足をつける。

両足から水しぶきが舞い、亜麻クソを押し戻そうとする。

 何度も水の抵抗を受けた亜麻クソだが、ぷるぷると両足を震わせながらロープにしがみつき、ゆっくりと立ち上がった。


 思わずオレ達は「おおっ!」という歓声を上げた。


 それに気をよくした亜麻クソは、ロープから片手を放して、濡れた髪をうっとうしい仕草でかき上げ、ズビシィという音が鳴りそうな気障ったらしい動作で天空を指さした。


「魔力を循環させなさい!」

「カッコいいよドビュッシー君!」

「いいわよその調子!」


 アメリアさんの檄が飛び、エイミーが嬉しそうに叫び、サツキが楽しそうに笑いながら両手を叩く。

 オレとガルガインもいいぞいいぞ、と囃し立てた。

根性みせながらふざける奴は嫌いじゃねえ。


 だが、船と同じ進行方向に向かって跳ねていたサンショウトビウオが、亜麻クソの腰に当たった。

 軽く触れる程度だったが水面でバランスを取っていた両足を崩すには十分だったらしい。


「みたまえ諸君ッ! このぶぉくの華麗なるウォーターダンスぱびゃらぶばっば!」


 盛大に亜麻クソがコケた。

 水しぶきを上げて水面に何度も叩きつけられる。

 何度か変なポーズを空中で取ると、亜麻クソは初期状態の水面を尻でくるくる回る走法に戻った。


「ぎゃーっはっはっはっはっはっはっは!」

「ぶわーっはっはっはっはっはっはっは!」

「バカだ! あそこにバカがいる!」

「調子こいてコケてやがる!」


 悔しいが、オレとガルガインは腹をかかえて笑った。


「センチメンタルジャァニィィィィッ!」


 そこをカメラを抱えたテンメイがスライディングの要領で滑り込んでシャッターを切った。なぜこのタイミングなのか、さっぱりわからねえ。

 つーかいきなり叫ぶのやめてくれ。普通にビビる。

 船酔いが治ったらしいテンメイは満足げにカメラを持って起き上がり、現像される写真へ目を落とした。


「見てみるかい?」


 そう言われ、オレ、ガルガイン、エイミー、サツキは顔を寄せ、写真用紙を覗き込んだ。そういやエリィ・ゴールデンはこの用紙の大きさをA4サイズと呼んでいたな。


 だんだんと写真に映像が浮かび上がってくる。

 写真用紙に鮮やかな色がついた。


 写真の右端にはソファに座って紅茶を飲むアメリアさんと、その後ろに控える色黒のジョン・ボーンさん。船尾の手すりで亜麻クソに声援を送る金髪のエイミーと黒髪のサツキ。その脇で腹を抱えているオレとガルガイン。青空の下で水しぶきを上げながら飛び跳ねるサンショウトビウオの群れが太陽の光できらめき、その真ん中には尻で滑走している亜麻クソのドヤ顔があった。

 写真のことはさっぱりわかんねえけど、何かやたらと楽しげな光景だと思った。


 そしてテンメイがでかい声で何やらしゃべり出した。


「素晴らしい写真だ! そう、まるでライラックの木の下で再会の誓いをした妖精王バイクリマ・クリスティンとジプシー族の姫シャーライカ・ホライズンの美しくも青い春を彷彿とさせるプラトニックな清涼感あふれる思ひでの一ページ! 僕らがこの湖で刻む青春の一ペ―――」


 そこまでまくし立てると、テンメイは船尾まで走って手すりにつかまり、上半身を乗り出して――


「オロロロロロロロロロロロロロロ!」


 またしても吐いた。

 全員が悲鳴を上げ、大海原に撒き散らされた物体をサンショウトビウオが軽々とよけていく。亜麻クソも水面尻滑走で緊急回避していた。



 いや、酔うならじっとしてろよ、まじで。



   ○



 青湖を三日で抜けたオレ達は、湖の国と言われる『メソッド』に入った。


 メソッドはグレイフナー王国の四分の一程度の国土を保有している。

 北側が自由国境に面しているため、魔物の侵入を防ぐ防衛ラインが構築されており、必然的に優秀で実戦に長けた魔法使いが多数いるらしい。四年に一度『大モミジ狩り』と銘打った魔物狩りをグレイフナーと共同で行うのは有名な話だ。


 グレイフナーとメソッドは四百年前から同盟関係にあり、結束は固い。


 お国柄なのか歴史的なのかは不明だが、身体強化よりも魔法技術に重きを置く傾向があるみてえだ。

数年前、恋人をめぐって行われたパリオポテスの決闘では、数々の著書を残したメソッドの大魔法使いグレモン・グレゴリウスとグレイフナーの拳闘士ガッツ・レベリオンが戦い、魔法の手数でグレモン・グレゴリウスが勝利した。

この決闘のせいで“身体強化重視”と“魔法技術重視”のどちらが強ええのか、という昔からの議論が再熱したのはオレ達でも知っている。つーかオヤジが暑苦しく語ってきてまじでウザかった。


「不思議な町並みね」

「ああ、そうだな」


 オレとサツキは旅館のベランダからメソッド一番の観光都市『ロロ』を見下ろしていた。


 等間隔に大木が植えられ、木と木にはロープが張られており、提灯ランタンとかいう色とりどりの照明器具がいくつもぶら下がっていた。

 大通りには商売熱心な食い物屋が並んでいて、誰でもすぐ物が食えるように屋台形式になっている。この国の連中はひらひらした布を身につけていて、腰に帯を巻いてずり落ちないようにしていた。水辺に町があるからそういった服装をすれば湿度がうんぬんとテンメイが言っていた気がする。すんげえどうでもいい。


それよりおもしれえのが、ここの商人は金を貰う際に、くるりと一回転することだ。

 回るとひらひらした服が広がって踊り子みてえになるんだよな。


「あ、また買ったわ」


 サツキが嬉しそうに眼下に見える肉屋を指さした。

 太った男の商人が「まいど!」と言いながら華麗に一回転する。どうしてあんなエリィ・ゴールデンぐらいのデブが軸をぶらさず回れるのかがオレには不思議だった。

 ってこんなことあいつに言ったらビンタされるな。こええこええ。


「みんなが戻ってきたら私たちも買いに行きましょう」


ちょっとばかし遠くを見れば、湖に浮かぶ小舟の光が蛍火みてえにふらふらと浮かんでいる様子が見える。


「スルメ、聞いてるの?」

「聞いてる。つーかおめえ食い意地張りすぎだろ」

「そ、そんなことないわよ!」


 そう言ってサツキはむっとした顔を作った。

 きりりと引き締まった眉がへの字に曲がっている。ぬめるような艶のある黒髪が提灯ランタンの光をうっすらと反射させていた。


「それから――誰がスルメだよ誰がっ。呼び方が浸透しすぎだろまじで」

「本名を忘れたわ」

「うぉい!」

「冗談っ」


 ふふふ、と笑うサツキは結構ジョークが好きらしい。

 道中でエイミーをからかっている姿を見かけるしな。


「ったくよ…。エリィ・ゴールデンに会ったらぜってー文句言ってやろ」

「エリィちゃん、あまり話したことがないんだけど、面白い子なんでしょう?」

「おもしれえ、っていうかぶっ飛んでるな」

「どの辺が?」

「訳わかんねえあだ名つけるし、気づいたら意味不明な雑誌とかいう本作ってるし。あいつに振り回されてる奴は結構多いぞ」


 まあ振り回される連中はみんな嬉しそうなんだけどな。

 うちの弟、黒ブライアンとかいうふざけたあだ名つけられて、今じゃ満更でもねえ顔してっから。


「あのファッション雑誌、革新的だよね」

「さあ、オレにはさっぱりわかんねえ」

「防御力以外にも大事なものがあるんだって言っている女の子は多いのよ。エイミーの特大ポスターを見てそれに気づかされたって人は新しい服を受け入れているみたいね」

「ふぅん。まあ、おめえ美人だから何でも似合うだろ」

「……そうでしょう」


 一瞬驚いた顔をしてうつむいてから、サツキは胸を張って腰に手を当てた。

 なんか顔がニヤついてやがる。


「エリィ・ゴールデンに会ったら何か頼んで作ってもらえばいいんじゃね? エイミーとアメリアさんは作ってもらったらしいぞ」

「それいいわね! スルメにしてはいいアイデア! スルメにしては!」

「うるせっ」

「どんな服がいいと思う?」

「はあ? どんなって言われてもな」


 そう言われてオレはサツキをまじまじと眺める。

 ベランダの手すりに寄りかかったこいつは、黒髪を撫でながらオレに向き直った。


 思わず触りたくなるような美しい黒髪と、意志の強そうな眉。大きめの口は自信ありげで、口角が上がっている。茶色の瞳はテンメイいわく、宝石クレレシオンのようだ、という話だがよくわからねえ。とりあえずオレの目にはやたらと綺麗に映る。


 どう? と聞いてくるようにサツキが首を傾げた。

 なんでもいいんじゃね、と言ったら怒りそうだ。


「この国の服とか似合いそうだな」


 あのひらひらした布を合わせている服とサツキの黒髪は合いそうだった。


「そうかな?」


 そういってくるりと一回転して、サツキは楽しげに笑った。


「まいど」


 商人の真似らしい。

 腰まで伸びた艶のある直毛が、扇子を広げたようにゆったりと宙を舞った。

 サツキの黒髪が提灯ランタンの光を浴びると、ここがさながら別世界みてえに見え、あまりの美しさに一瞬、見惚ちまった。

あわててオレは湖の方向を見つめて誤魔化す。


「へいへい、まいどまいど」

「ちょっとー、もう少しいい反応してよー」

「しねえよ」

「いい男なら、妖精のようだよサツキさんは、って言うのよ」

「誰言うかよそんなこと、誰が」


 まあな。



―――ぶっちゃけ、今ので惚れたわ。



 オレの反応が芳しくないせいかため息を漏らし、サツキは再び眼下に顔を向けた。

 そして買い出しをしている旅のメンバーを見つけて手を振っている。


 ったく、年上なんだか年下なんだかわかんねえ奴だな。

 仕方ねえから、なんかあったらオレが守ってやるか。


 本人にはそんなクセぇセリフ言えねえけど。

 小っ恥ずかしいから。


 それからあれだ。エリィ・ゴールデンに会ったらモテる方法と女を口説くコツを教えてもらうか。サツキに惚れたってことは…あいつになら言っても問題ないだろう。何だかんだ義理堅い奴だし。

 やっぱ当面の目標はサツキより強くなることだなァ。

 惚れた女より弱いとかワイルド家の名折れだろ。

 あいつは才能があるからな、引き締めてかからねえと追いつけねえ。


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