恋愛ゲームの世界に転生した元魔王は"フラグ"と"魔法"で世界を救う。

この作品のあらすじ

大人気RPGゲーム『アンブレイカブル・フェイツ』

長年愛されながらも、ある事件からそのゲームはついにサービスを停止することとなった。

データの削除が始まる当日、視点主である魔王は世界の崩壊に焦ることも無く、城に一人残る。

彼はここがゲームの世界であることを知っていた。外側から自分達（プレイヤー）を認識していた。そして、ようやく訪れた"死"に、満足していた。

その時、崩れゆくそこに『転生の女神』と名乗る者が現れた。

女神は転生の話を魔王に持ちかけ、魔王は考えた後にそれを承諾する。

だが、勇者のいる世界に転生をしてしまう可能性がある、と言う説明をされ、魔王は経験から転生先の性別を女にしてもらうことを決める。

そうして魔法なども引き継ぎかわいい女の子に転生した元魔王。しばらくは現世で平穏な暮らしを送った。

だが、高校に入学した魔王は、元勇者とついに出会ってしまう。

だがしかし、そこで出会った勇者もまた女であった。

勇者は語る。この世界は自分が願って買った"放棄された世界"、3L対応ラブコメノベルゲームの世界であること。それに関係する"都合"のこともあり、勇者は女になっていたこと。

この世界には、『商品化できるくらい完全な恋愛ゲームとして完成するまで、世界はループし続ける』というペナルティがあること。

前世では第二の主人公格である、ということで主人公にされかけた魔王は、ある打開策を思いつく。

『主人公以外にカップルを乱立させよう』

恋愛ゲームであればいいのなら、自分がカップリングされる必要は無い。箱庭系見守り型の、若く甘酸っぱい恋愛模様を外から観察するゲームにすればいいのだ。

前世で引き継いだ魔法をフルに活用し、見覚えのある顔の攻略キャラクター達の間にフラグを立てて回る。

暴走する個性、開放された性癖、遠のく平穏。

自分がカップリングされるルートを発生させないように親友ルートの選択肢を選びながら、今日も魔王はスチルを集める。