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  • 2010年 夏(やり直し)への応援コメント

    泡野瑤子さま。ご再訪と、「どんでん返しの里」へのご寄稿、ありがとうございました。
    この作品、最後の章で、友未は本来テーマ的であるべきではない物語がテーマ的であることによって(あるいは、逆に、本来テーマ的に語られるべき物語がエンターテインメント的に描かれることによって)阻害されているのではないかという割り切れなさを感じました。少なくとも純粋にテーマ作品として見た場合、駿一の終章の言動と終章以前の他人に向ける視線には幾許かの矛盾と混乱があるような気がします。せっかくのどんでん返しが、自然な心の動きとして納得できず、強引に感動を迫られているように感じました。
    泡野さまは、実に不可解な謎に満ちた存在です。友未が改めて指摘するまでもなく、それだけ素晴らしい筆力をお持ちなので、普通なら純文学にもエンターテインメントにも徹することが簡単にできるはずなのに、「鶴のゆく末」でも、本作でも、わざわざ目障りな小細工を持ち込んでおられるような気がしてなりません。芸術性と通俗性が調和せず、乖離しています。
    本作で友未が本当に感心したのは、劇的に展開される部分より、むしろ、2009年夏のような部分でした。本当の実力を感じさせられます。
    一ヶ所、「泉水さん」は、友未は普通に「彼女」にしておきたい気がします。

    作者からの返信

    友末さん、こんにちは。すてきな自主企画を主催してくださり、またお目通しくださってありがとうございます。
    ご指摘いただいたような混乱や中途半端さは確かに自覚するところです。本作は元々連作の一部であり、また主宰したアンソロジーのために書いたもので、特にこれ単品で見ると強引さが際立ってしまうなと思います。
    私個人は純文学とエンタメを区分する考え方が好きではなく、おっしゃるような芸術性と通俗性の調和は永遠の課題です。
    「泉水さん」は駿一が生まれて初めてまともに女の子の名前を呼ぶシーンなので、あえて名前を入れました。