入党

とても期間があいてしまいました。

現状からいえば、スロットを完全にやめることはできず、お金がないのは相変わらず。でも、この間で、少し前進したこともある。


 今日、正確にいえば昨日、僕は党に入党した。

 党の結党記念日というその日に。

 女性やご主人は、僕が入党するのを期待してくれていた。僕自身も、迷いを感じることもあったが、次第に入党し勉強をまずはして、社会を変えるために少しでも何かできたら、と考えるようになった。社会的な責任を果たしてから入党を、それが女性の願いだったし、僕もそう考えていた。

 入党にあたり、僕は給付金の10万円で滞納していた前の家の家賃を支払った。一部は女性が立て替えてくれた。僕は少しでも党に入った方が、僕自身のためにも、党のためにもプラスになるからと言ってくれて。本当に言葉にできないくらいありがたいし、申し訳ない気持ちでいっぱい。お金は女性に自動送金している部分から返していく。そして、滞納していた国保料。これは、確認しにいくと時効になっていて、もう払わなくて良いということであった。正直驚いたし、これで社会的な責任を果たしたといえるのか、という思いもあったけれど……。

 こういった結果、僕は入党することができた。記念講演の後に、入党の手続きをして、地区の委員長さんや支部の会長さんから説明を受け、握手をした。

入党をして、これからどう変わっていくのかは正直まだわからない。でも、安心したという気持ちがある。これまでは党員でないのにいろいろな活動に参加していたから、少し後ろめたい気持ちもあった。これで党員という立場で勉強をし、活動にも参加できる。

 もちろん、入党したからといえ、僕に対して全く信頼はない状態と思う。皆、僕がスロットに溺れ、母を怪我させ逮捕され、拘置所にいたことを知っているから。本当に、これからの僕の生き方次第だと思う。確かなことは言えないけれど、入党したことで、僕自身の生き方も変えられるんじゃないか、そんな思いがある。


 何より女性が、僕が入党できたことを喜んでくれた。お祝いをしてくれて、二人でいろいろ話した。別れ際、ハグをしてくれて、自然と涙が流れた。

 まだ出会って一年も経っていないけれど、ご主人も含め、こんな僕みたいな人間に期待してくれて、優しく、時には厳しく接してくれて。たくさん社会について教えてくれて。自分でいうのもおかしいけれど、本当に僕のことを思ってくれているのがわかって、それが嬉しくて。

 きっと、すぐには変われないと思う。それは女性もわかってくれている。でも、これから、新しい人生を進んでいける気がしている。それは他でもない、このお二人に出会えたからこそ。少しでもお二人のような人間に近づけたらなって真剣に思ってる。まだまだ遠い先のことになると思うけれど……。


人は必ず変われる、人が変われば社会も変わる


女性の言葉をむねに、また新しく生きていきたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る