逮捕された話#1
最近お酒を飲むようになった。別に好きじゃないけれど、眠るために。
アルコール依存で何度か入院した父の気持ちが、今になりようやくわかった気がした。
酔っているから書く訳でないけれど、逮捕された話のこと。
きっと僕はこの先母の日に何かをプレゼントしたりはないんだろうなって、思う。
だって母を怪我させた傷害で去年の今頃逮捕されたから。
一度に書くのはしんどい。だからざっくりと。
スロット依存で僕は母にお金をせびったりもしていた。(ちなみに父は6年前に亡くなった)
そんなことが続くと、やはり信用もなくなって、ある時から母は僕が家のものを盗んでいると言い出した。
僕はさすがに盗んではいないし、ましてや母がいうような母の服やら写真やらは盗んだりしたことはない。
その日も結局盗んだ盗んでないで口論になり、僕は母を突き飛ばして家を出た。
それからしばらくして、僕は会社にやってきた刑事に連行されその日のうちに逮捕された。
母は骨折をし、警察に被害届けを出していた。僕はそのまま家を出ていたのでまったく知らなかった。
いや、僕がすべて悪いんだよ。怪我させたのはもちろん、その口論の根底にあるのも僕のスロット依存。
でも正直ね、少しだけ、親子喧嘩で逮捕って……って母に対してなんともいえない気持ちもある。悪いのはもちろん僕だけど。
結局、はじめは2週間の拘留で不起訴になるはずだったけど、母が厳罰を望んだ(検事がいうには)のと、スロット依存ていう部分も関係してか、僕は起訴され約2か月拘置所で過ごした。
弁護士も初犯でこれはこれまで経験したことないと驚いていた。
うん。でも今になれば、2週間だろうが2か月だろうが別にね。そりゃ当時は辛かったけど。まぁ、自分の過ちだから当然だけど。
だってどうせ逮捕された時点で全部無くなってただろうし。ありがたいことに、起訴されたあとも会社は戻れるような体制をしいてくれてたけど、僕はそんなに強い人間ではない。どちらにしろ辞めてたと思う。
当然付き合ってた彼女には本当に申し訳ないことをした。彼女は同じ会社の人だった。逮捕されてからも、週2回拘置所に面会にきてくれた。手紙も何通も出してくれた。きっと会社でも、恥ずかしい気持ちや嫌な思いもたくさんしたと思う。
でも、僕は何も返してあげられなかった。
結局僕が守ったのは自分自身だった。
また逮捕の話は気が向いたら。
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