10 帝国の秘密
本日は国立国会図書館にて、私、煌羅は勉学に励んでいます。皆様方におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?私は、冷房の効いた部屋で快適で御座います。
「涼しいー」
煌羅は、ふと目に留まった一冊の本に手を伸ばす。
「帝国の歴史が知りたければこれを読め。凄いタイトル!インパクト強いなー。よし、試しに読んでみよう。ふむふむ、なるほど。帝国の建国は一人の男から始まったとな」
スマホを取り出し、その男の名を検索する。しかし、閲覧制限がかかっていて見れなかった。煌羅は不思議に感じながらも大臣パスでロックを解除した。
「えっと、なになに?」
男の名を検索した煌羅は軽い気持ちであった。しかし、書かれた文章を読み進めるのにつれて、帝国の隠された秘密が、そこにはまざまざと書かれていた。煌羅は背筋がぞくぞくとして、病人であるかのような目眩を覚える。
「まさか、この帝国が、あの女に支配されていたなんて!?私はどうすればいい?誰が味方で、誰が敵なの?」
これからの帝国の未来に危険を感じた。煌羅は信用出来る人間が、大臣の中にいるのか?判断するために図書館を出ることにした。席を立ち図書館の入り口に向かうと、煌羅の側近である
「お姉様、どこに行かれますか?」
鹿島はいつも通り、ニッコリと微笑む。煌羅は思考が停止し、後退りをする。煌羅の第六感が危険だと叫んでいる。こういう時ほど、焦らず、冷静に。さて、どうしたものかしら?
「どうやら秘密をお知りになられたみたいですね」
鹿島はニコニコと距離を縮めてくる。煌羅は知らぬ存ぜぬで受け流すことにした。煌羅は三歩後退する。
「なんのことかしら?」
鹿島は涼しい顔で悪い顔をする。煌羅は思考を巡らせる。うーん?どこかに逃げ道はないかしら?そうだ、窓から飛び降りるのはどうだろう?でもここは二階だし、危ないよね。
「先ほど、見られたのでしょ?」
鹿島は責めるように問い詰める。そして、煌羅は確信する。やはりバレてるようね。最悪、窓から飛び降りるしかないかしら。鹿島は難しい顔をすると、顔を赤くしながら問い詰める。
「見られましたよね?私がセールで安くなったお弁当をそこで食べてたのを」
「はぁー!?」
煌羅はポカーンとする。一体何の話だろう?セールのお弁当がどうかしたのか?意味がわからない?煌羅は反応に困っていた。
「えっ!?」
「……」
二人はお互いに顔を見合わせる。そして私達は、盛大な勘違いをしていることに気づく。
「えーっと、お姉様は何と勘違いされたんですか?」
「知りたい?」
「はい?」
鹿島は困惑しながらもコクりと頷いた。今後のことを考えると話しておいた方がいいだろう。煌羅は自分が知る範囲で帝国の秘密を鹿島に話すことにした。
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