改稿前 私の憂鬱と一つ願い

剣崎 神(ケンザキ ジン)

第一章 天変地異と異能と

第1話 プロローグ

 四方が石垣と門、そして見えない結界に囲まれたもはや要塞と言うべき自然公園。


 その名も“コミュニティ”。


 謎の天変地異によって文明が終わってしまった世界ではもはやここが全てと言っていい。


 コミュニティの内部には数多くのテント、かまどなどの最低限の衣食住を満たせる施設が揃っており、人々はここで暮らしている。


 この生活が始まって約一か月。


 人外の奇跡と呼ぶべきことがもはや日常になりつつあるファンタジーな生活にも慣れてきた頃、ジン達はこの生活初めてコミュニティの外に出ようとしていた。


大きな木の門が開かれる。


「......さあ、行こうか」

 ジン達は不安を抱えながら骸骨が蔓延る外の世界へ踏み出した。

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