ホームレスと少年

@dededeiru

第1話

中学生のD君は川沿いあるマンションの10階に住んでいた。そして、D君は河川敷で毎日の様に友達とサッカーや川で水遊びをしていた。

ある夜、夕食を終え自分の部屋で漫画を読んでいたところに突然、母親が入ってくるなり、

「今さっきここで飛び降り自殺があったわよ!!」


そのショックで悲しい出来事が3週間ほど前に起きていたのだった...


D君はその日もいつものように夕食を済ませ新しい漫画を買うため歩いて数分にあるコンビニへ行こうと玄関を出た瞬間、頭も髭もぼさぼさの50代ぐらいの裸足の男が非常階段の手すりに摑まり下を見ていた。ビックリと同時にあの夜の出来事を思い出した。

「やばい!こいつ死ぬ気だ!」

すぐさまその男に声をかけた。

「おっちゃん、ここで何してんの!?」

この寒い時期にペラペラの長袖Tシャツ、よれよれのズボン姿の男は何かを喋っていたが、理解出来ず兎に角1階まで連れて行きコンビニ近くまで行った。

「いいかおっちゃん、ここで待ってろよ」

急いで漫画を買うはずの金で温かいコーンスープを買い男が待つ場所まで戻った。

「取り合えずこれを飲め」

黙ったままスープを飲んでくれた。ちょっとだけ安心はしたがこれからどうしようか?D君は考え、さっきのコンビニへ行き段ボールをもらい河川敷へ連れて歩いた。

そして川に架かる大きな橋の下の麓で段ボールを風よけにし寝床を二人で作った。

「明日またここに来るから待ってろよ、あんまりウロウロするなよ」

その男に言って聞かせ家に帰った。すごく疲れた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る