少し話をしようか

@peruu

第1話 あれから半年、兄の後悔。

俺には家族が3人いた。父、母、そして3つ年が離れた弟。弟は元々体が弱く重い病を患っていたが、笑顔が絶えない子だった。高校2年生になった俺にもとても懐いてくれていた。父も母も俺も弟を可愛がっていた。







しかし、本当に突然だった、弟は浴槽で溺死していた。その日は珍しく俺が弟より先に風呂に入っていた。その理由はなんてことない、次の日が委員会ではやく学校に行かなければならなかったのだ。いつもなら弟より遅く入る俺は風呂場のドアの前に立って「はやくあがってー」というはずだったのだ。父も母もおそいとは思っていてもまさかとは思わなかったのだろう。結局、それを見つけたのは歯磨きをしにきた俺だった。声を掛けて反応が無いのを不思議に思ってドアを開けた。


その光景は今でも忘れられない。






俺が弟に先に風呂を譲っていれば、いつも通りの生活をすれば、浴槽で発作が起こった弟にもっと速く気づけたかもしれない。父も母も俺のことを責めようとしないが、間違いなく、弟は俺が殺したのだ。

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