壊れる
瑞海怜矢
割れた鏡の様に
イラついていた、鏡を殴った、鏡は割れた、手からは血が出た。床に落ちた破片は、鏡面を伏せていた。「もうお前なんか見たくない」とでも言うように。
壊れるほど鋭利な刃物になってゆく。石器時代から利用され続けたこの理論は、人の心情にも当てはまる。この時にはもう、俺は壊れていた。
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