道具屋での出来事

 「行くわよ。ショウ」

「……うーん、もう朝かー」

 部屋に起こしに来たシエラに起こされ俺は目が覚めた。

「あーシエラ、おはよー。マールは?」

 俺は寝ぼけていた目を擦ってからシエラに聞いた。

「マールには朝ご飯の席どりをしてもらってるのよ。だから早く行くわよ。」

「そうなのか。じゃあ急いで準備するよ。」

 そう言ってから準備が終わりシエラと一緒にマールが席どりしている場所に向かった。向かったと言っても宿の一階の大広間だがな。

「あ、シエラ、それにショウさん、、、

おはようございます。」

「おはよう。マール」

「じゃあ、全員揃ったことだし食べるとしますか。」

「そうだな」

 そこから注文した品が届いた。

ここの食事は前の世界でいうところの西欧料理に似ている。だから不味いどころか、めちゃくちゃ美味しい。

「なあ、これからどうするんだ?」

「うーんとりあえず少し必要な物を買い揃えてクエストかしらね。」

「じゃあクエストに行く前にお願いしたいことがあるんだがいいか?」

「もちろん、いいわよ」

「少し無属性魔法について知っておきたいんだ。だからどういう魔法なのか説明をしてくれると助かる。」

「そういうことならマーラが得意だよ。マール説明してあげたら」

「マール頼めるか」

「はい全然いいですよ」

 そして食事が終わり昨日ギルドから帰った時に服を売ったお金で食事代を払い、道具屋に向かった。

 道具屋に向かっている途中で、無属性魔法の簡単な説明をしてもらった。

「一番有名なのは身体強化の魔法ですね。自身の能力を上げることができる魔法です。他にはゲートという移動魔法などが主に有名です。でも無属性の魔法はちゃんと明らかになっていないので他にもあるかもしれません」

「なるほどー」

そう頷きながら、俺は楽しそうだと思った。まだ明らかになってない魔法もあるらしいのでそういうのを考えるといいんじゃないかと思ったからだ。

他にもいろいろ話をしていると道具屋についた。

「いらっしゃーい。何をお探しで」

「10個ほど回復薬と剣を一つ頂戴」

「おう、わかったぜ。少しまちな」

そういうと店主は中に入っていった。

「なあ剣はなんで買うんだ?」

「何言ってんの。あんたが使うためでしょ。今のところは身体強化しか使えないでしょ」

「そうなのか。でも俺魔法の使い方知らんぞ」

「魔法の使い方も知らないの! ビビット、バーンていうふうに使えばいいのよ」

「教えてくれるのはありがたいが何言ってるか。分からん」

「まあこういうのはマールの方が得意だしね。マール説明してあげてー」

「はあ、シエラは仕方ないですね。魔法は頭で使いたい魔法を思い浮かべて詠唱するんですよ。詠唱は自分が分かればどんなのでもいいんです」

「そんな簡単なのか?」

「はい、それに無詠唱の人もいるみたいですし人それぞれです。まあ、頭でちゃんと思い浮かべれたら誰でもできますよ」

「なるほどな。まあ今回のクエストで試してみるよ」

「そうですね」

「それにしてもショウはどこから来たのかしらね。魔法も使えないのに街から街まで移動できるとは思えないもの」

「はは、それは話せるようになったら話すよ」

「何それ、まあいいけど」

そんな感じで話していると店主が戻ってきた。

「これでいいんだな。回復薬と剣だ合わせて銀貨5枚だな」

「これは全部俺が払うよ」

と言って俺は手持ちのほとんどを出し払った。あとはもう銅貨10枚程度だ

「え、でもショウさんもうほとんどお金ないんじゃ……」

と心配そうにマールが聞いているが俺は言った。

「女子払わせるわけにはいかんだろ。みんなで必要なものは俺が全部買うよ。それにこの剣は俺のだし」

「ありがとうございます……」

「でもしんどい時は私たちも払うからね」

「ああ、分かったよ」

そんな会話をしてから道具屋から出た。




ショウたちが店を出てから店主はこう言った。

「くそ!! いいなーハーレム!!」

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