宝石箱に届いた手紙 三通目

ひきだしの向こうの君へ


 お返事ありがとうございます。

 君も同じことしてるの、私も聞いて嬉しくなっちゃった。やるよね。

 だから、なるべく早めに返事書きますね。


 魔道具みたいな「機械」、気になります。

 魔力じゃない動力って、どういうことだろう、全然イメージつかないや。電気っていうのも、この世界にはないから不思議。

 でも、見ると「機械」は魔道具みたいに色々なことが出来るんだね。

 見れたら良いんだけどな。


 十才で学校入るまで何やってるか、か。

 六才から学校入るのが当たり前だと、想像つかないのかもね。

 う~ん、人によるけど、学校の練習というか義務教育前の教育受ける所行く子もいるし、親の仕事手伝う子や、家事をやってる子とか、あと、親が共働きだと子どもの面倒見てくれる施設に預けられる子もいるな。

 私は、学校行く前に家で文字覚えて、本読んだり、家事したり、友達と遊んだりしてた。あ、魔法の練習もしてた。


 趣味は読書なんだけど、他にはやっぱり体動かすのが好き。

 体を動かすのは何でも好きだけど、ブケーノっていう競技が好きかな。そっちの世界にはある? ボールを使うんだけど、二チームに分かれて、相手が守るゴールに入れると点が入るのね。それでそのボールをゴールに運ぶのに、ボールを地面に落としちゃいけなくて、ボール持ったまま歩いてもダメ。それやっちゃったら、相手チームにボールを渡さないといけないっていう競技なんだ。

 別にチームに入っているわけじゃないんだけど、友達と遊ぶ時とかにもやってる。


 それと、学校の話で出て来た「部活」って何?

 学校では勉強ばっかりかな、基本はね。もちろん年が近い子たちで集まってるわけだから、おしゃべりしたり色々するけど、部活は勉強以外の何かなのかな?

 今日は、例えば食事休憩の時に友達から魔法の相談されたな。

 苦手な人も日常生活では魔道具使えば良いんだけど、学校の魔法演習は頑張らないと、落第しちゃうから。

 結局魔道具使えば日常では充分なのに、なんで学校では魔法演習で魔道具無しでやらなきゃいけないのかとか、魔法が苦手な子はよくぼやいてる。

 で、私の友達にも苦手な子がいるんだけど、その子が魔法演習、このままだと追試になるから、コツとか教えてって頼まれたの。

 コツとかは人によって違うし、私は結構感覚でやっちゃうから、中々分かりやすいアドバイスは出来ないんだけど、二のごはんの後、午後の授業までの休み時間とか、練習に付き合って、明日も学校終わったら特訓に付き合う予定。

 無事に、追試にならずに合格すると良いな。どれだけ助けになるか分からないけど、私も出来るだけ協力しようと思います。

 君も、どんな風に学校で過ごしているのか、教えてね。


 それでは、今回はこの辺で。

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