★在宅勤務
巷の流行の病気は僕たちの周りの環境にも変化が。
僕の勤める高校は平常だが、集会は中止、教師や生徒共にコンサートや人が多いところへ『なるべく』行かないように、手洗いうがいの徹底だけである。
通学に電車利用している生徒も多いがここ最近は親御さんによる車の送り迎えや自転車通学が増えた気がする。
僕は車がなくて電車通勤である。こういう時こそ車の免許が欲しかったと思う。
徹底的に手洗いうがい、マスクで防ぐしかない。
李仁はリモートワークで在宅勤務に切り替えている。可能な限り営業先とも電話での対応、書店への巡回もよほどのことがなければ行かず、イベントも次々中止と地味に忙しいようだ。
平日は僕が仕事に行くけど李仁は朝ごはん食べたら僕を見送ってから部屋にこもって仕事をしている。仕事とプライベートはしっかり分ける人だからなぁ。
でもその合間合間に家事や料理をしてくれる。また無理しないでほしい……。
「そろそろさ、行きと帰りを車で送り迎えしてあげるよ?」
と言ってくれたけど不規則だし……でもそろそろそうしようかな。恥ずかしいけど。何回か車で送り迎えしてくれたけど李仁の派手な車で学校前に来るものだから生徒にじろじろ見られて。彼の負担になければ……うん。
土曜日でも李仁は仕事があるようだ。部屋に篭って……僕もリビングで学校の仕事をしよう。本当は明日、部活動指導あるから今日は二人でまったり過ごしたかったのになぁ。
李仁の個室に目をやる。同じ家の中にいるけどその扉一枚に挟まれて……寂しいなぁ。
春の旅行も、ミュージカルに行くのも中止かな……。ダメダメ、僕も仕事に集中しなきゃ。
……なかなか出てこないけどトイレとか飲み物飲みにきてもいいのにね。寝てたりしないかな、とつい気になってしまう。
僕、李仁が仕事をしてる姿を見るの好きなんだ。彼がバーテンダーやってた頃も、本屋さんで働いてた頃もよく見に行ってたっけ。
とても真面目に、クールにしてる姿に惚れ込んでしまう。
なのに家ではよく笑って、ドSで、鬼畜で、時にネコになって淫らになる、その姿と働いてる姿のギャップがたまらないんだ。
きっと今日もこの扉の向こうでバリバリに仕事してるんだろうなぁ。見たいなぁ……。
と僕は珈琲を持って李仁の部屋に。
「失礼しまーす」
と声をかけると
「はーい、どうぞー」
と李仁の声。ドキドキしながら部屋に入る。
!!!
紺のスウェットに、ボサボサ頭、メガネ。スウェットも腰パンにしてるし!なんて格好!!!
部屋は加湿器ガンガンに炊いてる。
「サンキュー。仕事集中しちゃうとさ、休憩忘れちゃうから……あ、コーヒーはこっちのデスクに置いてくれる?」
あー、スーツ姿で働いてる李仁が見たかったのに。そりゃ在宅ではスーツじゃないもんね。
「ごめんね、ミナくん。今日丸丸一日かかりそう……お昼からチャットミーティングあるし……夜ご飯は昨日シチュー作ったからそれ温めて食べようね」
「うん。ありがとう。僕も学校の仕事やってるし……またなんかあったら言って」
「うん」
……李仁は再びパソコンに向かって仕事をしている。邪魔しちゃダメだよね。彼の大きな背中、いますぐ抱きしめたいけど……我慢我慢。
僕は部屋を出ることにした。
「やっぱ今から1時間休憩……」
!!!後ろから李仁に抱きしめられた。
「まだお昼には早いんじゃないの?」
「いいの。自分の裁量で決められるから」
「邪魔しちゃった?」
「してないよ」
といいながら李仁にバッグハグされたままリビングのソファーに倒された。
「寂しい顔のミナくん見たら……♡」
李仁は一気にスウェットを脱ぐ。僕も慌てて隅っこに置いてあったバスタオルをひいて服を脱ぐ。
(いつエッチすることになるか分からないからタオルを置いている)
仕事中なのに。変態!テーブル引き出しからコンドームとローションも出して……用意してる途中なのに李仁はチュッチュしてくる。
「1時間で終わる?」
「その時は他の休憩と合わせればいいのよ」
「バカァ……」
僕の股を広げられてローションを塗られて……午前中のセックスはあまりないから新鮮。太陽の光がさす中、僕らは重なり合う。
「仕事中のセックスなんていやらしいね」
「休憩中だって言ってるじゃない……」
「つながったままチャットミーティングするとか?」
「ミナくんっ、どこまで邪魔する気?」
でも李仁はやっぱり仕事しっかりする人だからきっちり1時間いちゃついたら仕事始めちゃった。
僕は片付けて昼ご飯の用意。昼ごはんはお部屋に持っていくけどその時にまたいちゃつきたいなぁ。
なんちゃって。
……ああ、早く外で二人、お出かけしたいね。それまでは……お家の中でたくさんいちゃつこう……。
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