私は…

願っても、祈っても、奏でても

『不良品』の私の願いは届かなかった

むしろ願うため、祈るため、奏でるために動きを止めると

不安に思われ、疑問に思われ、泣かれて

願いを届ける時間は

ゆっくりと解け落ちていく


『良品』として遠くに離された兄に

届けたくて

伝えたくて

祈りたくて

彼の願いが叶うよう願う度に


『不良品』としてここにいる私は祈る度

悲しまれて

嘲笑われて

薬を飲まされて

私が私じゃな無くなっていく


それでも私は構わない

愛しき

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る