【SS】美少女「いやぁ! 誰か助けてぇ!」 俺「……」ヌッ
文月 景冬
第1話「救出」
俺「……」
美少女「え、あなたは……お、俺くん……? 同じクラスの……」
美少女「どうしてここに……?」
俺「……」
不良「ああん!? なんだてめぇ!? こいつのお友達か!?」
DQN「今いいところなんだから邪魔すんじゃねえよ!」
鉄男「レイプ寸前の現場に現れるなんて運のない奴だ。気の毒だが、見られたからには逃すわけにはいかないな。おっと、おかしな事を考えるんじゃねぇぞ。こっちは3人だぜ」ボキッボキッ
美少女「お、俺くん! 私のことはいいから逃げて! ボコボコにされちゃうよ!」
俺「……」ヒュンッ
鉄男「!? 消えっ……」
ゲシッ
不良「ぐわっ!?」ドサッ
★
鉄男「不良!?」バッ
俺「……」ヒュンッ
バキッ
DQN「おぼあっ!?」ドサッ
鉄男「DQN!?」バッ
俺「どこを見ている」
鉄男「う、おお!? いつの間に俺の懐に!?」ビクッ
ドゴッ
鉄男「ぐおっ!? ……へ、へへっ。大したことないな。俺はその2人とは違うぞ」
俺「印を刻んだ。30日後、お前の肉体は死ぬ」
鉄男「そんな!」
俺「2人を連れて失せろ」
★
鉄男「覚えていやがれー!」タッタッタッ
俺「ふん」パッパッ
美少女「あ、ありがとう俺くん……。でも、どうしてここが……?」
俺「たまたま通りがかっただけだ。この廃工場の近くに俺が独りになりたい時佇む石碑があるのだが、そこに向かっていた。すると、お前の声が聞こえたのだ。助けを呼ぶ声が」
美少女「そうだったんだ」
俺「命拾いをしたな。偶然に感謝するといい」
美少女「……ううん、私が感謝したいのは俺くんだよ」
俺「ふん」スッ
ファサッ
俺「ひとまず、それを羽織るといい。露出が趣味というのなら強制はしないがな」
美少女「え、あ……」カアアッ
★
美少女「……」イソイソ
俺「……」
美少女「……でも、俺くんって強いんだね。学校での俺くんとは別人みたい」プチプチ
俺「それほどでもない」
美少女「3人と喧嘩して勝っちゃうんだもん。それほどだよ」
俺「褒めても何も出ないぞ」
美少女「……私、恩返しがしたいの」
俺「恩返し?」
美少女「うん、助けてもらったんだから当然でしょ? 何か私にできることない?」
俺「では、その体で慰めてもらおうか」
美少女「え?」
★
俺「何を驚く」
俺「女のお前にふさわしい、至極真っ当な恩返しだと思うがな」
美少女「ほ、本気……?」
俺「だとしたらどうする?」
美少女「レイプから助けてもらってお礼が体じゃ本末転倒だよ……」
俺「断るのか?」
美少女「……」
美少女「い……」
俺「冗談だ」
美少女「……もうっ! 最低!」カアアッ
俺「すまない。つい、からかいたくなってな」
★
美少女「俺くんの意地悪! 冗談だなんて、わからないよ! 普段あんまり話したこともないのに!」
俺「くくっ。すまなかったと言っているだろう」
俺「それにしても、今の『い……』の先はなんだったのかな。普通に考えれば『嫌』だろうが、恩返しであることを考えれば『いいよ』だった可能性もあるか。はたまた『yes』『yeah!』……くくっ、考えるだけで面白い」
美少女「あ、あうぅ……」カアアッ
俺「さて、からかいも済んだ。そろそろ帰るとしようか。家まで送ろう」バサッ
美少女「う、うん……。あ、でもお礼は本気だから!」
俺「まあ、楽しみにさせてもらうよ」
俺「ほら、俺に掴まるといい」
美少女「……? どうして?」ピトッ
俺「絶対に離すなよ」ヒュンッ
パッ
美少女「……え、えぇ!? ここ私の家の前!?」ビクッ
美少女「ど、どういうこと俺くん!? 俺くんって一体!?」
美少女「……ってあれ? いない……」キョロキョロ
美少女「不思議な子だなぁ……」
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